勉強が、分かるためには、重要な漢字をしっかり教えることが大切ですね。

ところが、文化庁が今回、出した『改定常用漢字表試案』を見ますと、勉強ができるようになる漢字指導とは、反対の方向に流れるように思えます。

このことに関して、学校教育に長年かかわってきた乗木養一さんが、文化庁に意見を出ししまた。

本日は、それをご紹介して、ご一緒にお考えいただければ嬉しいです。

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　　改定常用漢字表試案への意見　　　　　乗木養一


　「改定常用漢字表」が実施されれば，学校教育への影響がかなり大きいと考えられます．
小学校教員として漢字指導にかかわってきた経験にたって，児童・生徒の学習負担をいま以上に増大させない観点から，「改定常用漢字表試案」に関して，以下のように意見をのべます．
 
１．字種について

(1)現行の「常用漢字表」から削除したい字種

　試案が，現行「常用漢字表」から削除する字種候補として，「勺，錘，銑，脹，匁」の５字をしめしたことに賛成する．

　このほかにも，出現頻度が低く，かつ造語力のない「衷，迭，嘱，墾，逓，劾，酪，塑，痘，朕，虞，丙，斤，弐，謄，繭，璽，頒」なども削除すべきとかんがえるが，この件についての漢字小委員会の議論がつくされたとは，おもえない．

  (2)「新常用漢字表（試案）」で追加候補であった１９１字から削除したい字種

　このほかにも，「新常用漢字表（試案）」の意見聴取の段階で，けずるべきという意見をわたし自身ももうしのべ，かつ，同様の意見が集中した字種があるが，それらを「追加候補」にとどめたことについて，十分な議論がつくされたようには，おもえない． 

ア　　固有名詞に用いられる漢字について，漢字表の適用範囲から除外するとした点は，評価できるが，都道府県名の「茨、媛、岡、栃、奈、阪、阜」を例外としている点は，反対である．

イ　漢字表記の必要性のうすい「誰、俺、宛、挨、拶、桁、藍、葛、餌、嵐、頃、嫉、妬、稽、挫、芯、貼、謎、昧」などは，いずれもかな表記が受け入れられるので，追加候補からけずるべきである．

ウ　教育上不適切な「淫, 呪、艶、賭、妖」も，けずることをもとめる意見がおおかったが，追加候補にとどめたことに疑義をもつ．

エ　　漢字語の書き換えが定着してきており，つかいわけに余計な混乱をもたらす字種として指摘された「臆（臆測－憶測）」「苛（苛酷－過酷）」「潰（決潰－決壊）」「腎（肝腎－肝心）」などもけずることにならなかったことに，疑義をもつ．

 
(3)「改定常用漢字表（試案）」で新たに表に追加される候補となった字種

　いずれも追加字種候補にすることに反対する．
ア　「梨」も同様だが，植物名としての「柿」は，かながきで対応できる．

イ　「哺」「楷」「睦」は，語例がかぎられており，必要ない．

ウ　「鍋」も同様だが，「釜」のような具体物をさししめす漢字は，造語力がない．

エ　「錮」「賂」「勾」「毀」の採用は，わかりやすい法廷用語を使おうとする司法改革のながれに逆行する．

（続きます）

 ＊　このことは、学校教育に、直に影響を与えます。

それは、現在より、教える漢字数が増え、現場は、今でさえ、勉強が分かるようになるための重要漢字を丁寧に教えることができていないのに、もっとはしょった漢字の詰め込み教育がされるようになるのではなかいと心配する今日（さん）です。

これでは、勉強が分かるようになる教育から、ますます、遠ざかるようです。

 ＊＊＊　コメントをお寄せ下さい。（時間の関係で、返信は、していませんが、 勉強させて戴いて、次に生かします。感謝です。）

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下記で、以前に書いたブログが紹介されました。漢字と 作文の実践です。

これらの 実践は、仲間・先輩の実践に学び、

さらに、それを発展させるということの繰り返しから生まれたのものです。

それを取り入れることで、子どもが喜び学力がつく授業ができ、

そのことに教師は、生きがいを感じるのではないでしょうか。

主述の関係とテーマ性

下記の本は、僕らがまとめた漢字教育のあるべき姿と実践を載せています。

基本的なことが、書いてあります。

漢字指導の羅針盤のようなものです。

それをもとにした実践は、本書に書かれているより、かなり進んでいますが・・・・・・。

国字問題研究会・漢字指導法研究会

http://members.jcom.home.ne.jp/kotoba/kokuziken-index.html

こちらは、１字･１字の指導の練習帳です。僕らが、作成したものです。