テーマ:スイーツ★スイーツ(13056)
カテゴリ:X'masケーキ'06
大人っぽくシックなこのチョコレートケーキで、8種類目。
直前にいただいたデフェールの超・可愛いケーキで大いに盛り上がってしまいましたので、小さめでシンプルなデザインのこれを見た時(J.P.エヴァンのチョコレートは最高級の味わいだとわかってはいても)、X'masケーキにしては「…地味かも…」という第一印象。 フランス人のエレガンスは感じましたが。。。 『ビュッシュZIPエコス』 ジャン=ポール・エヴァン(パリ/伊勢丹) ところが、ところがサプライズはこれから。 分析が進むにつれ、私は自分を「未熟者!」と思いましたよー。 まずは上のチョコレートの飾りをはずし、カットしてびっくり。 ↓ 切っている途中。これを更にスライスしていただきます 美しい断面ですね~。 中央からきれいに二つに分かれていて、手のこんだ仕上がりです。 ↓ 上の写真と左右が逆になってしまいましたが 色が濃い方はビターチョコレートのムース。底と中央には同じココア生地。 薄い色のマロンのムースの中には、フランス人が好んで栗と組み合わせるカシスのジュレが。 → [栗とカシスの相性・栗とカシスはあうのだろうか?] はこちら マロンムースのアクセントにマロングラッセを、底にはアーモンド入りダックワーズ生地。食感は、ムースの水分でもっちりしてきています。 チョコレートとあわせやすい栗という素材を使いながらも、二つを混ぜて一つの味にするのではなく、各々の味を個別に残し、二つの味を楽しんでもらいながら、最終的に口の中で出会った時に新たな味を生み出す…。 ちなみに、マロンのムースの中のカシスもチョコレートとは非常に相性がよく、色々なお菓子の中で組み合わせて使われています。 シンプルな外見からは想像できない、複雑に味の組み合わせが計算された中身。 ところが、このお菓子が主張するものは、これだけではありませんでした! 皆さん、もうお気づきでしょうか?最初の写真を見てすぐわかりましたか? 恥かしながら、私は帰宅するまで全く気づきませんでした。 たまたま帰りにクリスマスイルミネーションを見ていこうかな、と途中下車して立ち寄った表参道ヒルズがきっかけとなり、ケーキの全容解明。 まったくの偶然ですが、ヒルズのショップ案内の冊子をいただいて帰ると、中にJ.P.エヴァンの紹介が。そういえば、ヒルズにJ.P.エヴァンのお店が入っていたっけ…と思い出し、先ほど食べた『ビュッシュZIP』の写真に添えられた解説を何気なく読むと『「出会い」をテーマにしたビュッシュ・ド・ノエル、中央のファスナーを境に出会う2つの味。…』とあります。 …ファスナー? この段階でも、まだピンときていませんでした。そして家で自分が写した写真をよくよく見ますと 横向きで撮ったのを縦にしてみました こ・これは …ファスナー! ビュッシュ bûche (=薪) エコス Écosse (=波打つ筋が入ったレーリュッケン型で焼いたフランスの贅沢な焼き菓子。外側はダコワーズ・ショコラ生地、内側には小麦粉よりアーモンドパウダーの量がずっと多いリッチな配合のアーモンドクリーム、外が茶色、中が黄色の二色で焼き上げる) そしてZIPは? 私はなんとなく zip code=郵便番号 と連想し、何かの番号かな?と思っていたのですが、 zip は仏語の辞書にはのっていません。もしかして、もしかして、英語~! zip → ジップ → ジッパー → ファスナーのことだ~! ここに至ってようやく納得。zipは英語で(ジッパーで締める、開ける)という意味。 ケーキの名前がヒントだったのね。。。 ※ エコスの説明は、ラ・ヴィ・ドゥースの堀江 新シェフの著書『焼き菓子の秘訣』を参考にさせていただきました。 <8> アンリ・ルルー、ブイエのアントルメ へ続きます 残りのケーキはあと2つ! X'masアントルメの会 <1> パティスリータダシヤナギ八雲店に受け取りに <2> パリセヴェイユ『ジュピター』、カエール『ビュッシュ・フュジョン』 <3> イデミスギノ 苺とオレンジ『フレゼット』 <4> イデミスギノ 濃厚チョコ『サンバ』 <5> タダシヤナギ『ル・ショコラ・グランクリュ』とアテスウェイの銀色『ジョエル』 <6> デフェールの最高に可愛い『イヴェール』 今回のイベントの主催者幸せのケーキ共和国 の平岩理緒さんの超詳細レポートPart2は こちら 「エヴァン氏は何故英語の名前を~?」と思う方は ↓を押してこの記事を応援して下さいね☆ いつもクリック、ありがとうございます! 一日一回カウントされます。よろしくお願いしま~す。 《お菓子作りの道具と材料》 (楽天)Homeへ 《お菓子教室発~美味しいお便り》 (FC2)もう一つのブログへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[X'masケーキ'06] カテゴリの最新記事
いつもコメントありがとうございます。(^^)
日本ではエヴァン氏なのですね! 実はパリの最新情報ではどこのパティシエだと思いますか(^-^)? 日本のSADAHARU AOKIです。 このパティシエールがパリでは大人気なの。 なんだか日本とパリが反対ですね~。 私のコルドンブルーパリ留学時もエヴァンのクーベルチュールを使用してのショコラは最高にいい出来でしたですね。でも学校ではWEISS社のチョコを使ってます。WEISSのチョコ、ご存知かな? 今度使ってみてくださいね~。 私の時代はマドレーヌなども焼き型を使わないで 作っていました。絞り金で絞って。。 パートを作り、モウルディングして焼成して・・ 今の時代はいい道具があっていいですねぇ。。。 ガレットさんはエヴァン氏のチョコ、地味に感じたのですね(^-^)にゃるほど♪ ところでaokiの良さは日本の抹茶を使用したところにあるのですが。。。今年パリでいただいたとき美味しかったの。 フランス人に受けてるのが嬉しいですよね! チョコのケーキ。。。 芸術品だもの♪食べるのもったいないですねぇ。。。(^^) (2006.12.28 10:15:24)
コメントありがとうございます。
パリでいただいたお菓子の中では、J.P.エヴァンの生菓子とラ・メゾン・デュ・ショコラのエクレールが一番印象に残っています。(また行って、色々食べ比べてみたいですー) 青木氏は帰国された時に時々講習会をされているようですが、ものすごい人気でなかなか参加が難しいようですね~。ご自分のアイデアや技術を惜しみなく日本に伝えて下さることは素晴らしいと思います。機会があれば、参加してみたい! ヴェイス社のチョコレートは講習で習った時に1,2回使ったことがあるだけで、普段は大東カカオ、ヴァローナ、オペラ社のものを使っています。 J.P.エヴァンのクーベルチュールを材料に使えるとは、なんという贅沢!いいですね~。 (2006.12.28 16:25:24)
あ~、そうですね!こういう驚きが中に隠れているのが“カシュカシュ”なのですね~。
(カシュカシュ0278さんのお名前、素敵なところからとられていますね★) 一見地味なのに、実はパティシエの緻密な計算のもとに味が組み立てられたハイレベルの内容だったので、これも「参りました」という感じです。 とっても美味でしたー。 最初の写真をぱっと一目見て、「ファスナー」だってわかります? パティシエのみなさんと知恵比べをしているような気になってきました。ユーモアのセンスがありますよね! (2006.12.28 17:36:13)
これまたすごいケーキですね!!
見た目はシンプルだけど中身や味が複雑で・・・と味を想像しつつじっくり読み進めていくと・・・ ファスナーって!! 驚きました。。。(笑) だから中身も二つに分かれているんですね~。 ストーリーがありますねぇ・・・。 こちらのブログにお邪魔するようになって、お菓子 奥の深さや芸術性にますます魅せられるようになってきました・・・。 実は一時期、真剣にお菓子を勉強してみようと思ったこともあったんですよね。 そんなことを思い出しました。。。 (2006.12.28 18:58:00)
嬉しい!「ファスナーの発見」に驚いてくださって。
皆さん、ぱっと見ただけで、ファスナーだと思って召し上がっているのでしょうか??私は最後の最後まで(食べてしまった後まで)気づかなかったので、これってわかりやすいメッセージなのか、それとも後で気づいてふふふっ、というものなのか、知りたいですね~。 自分でこれに気づいた時は、かなり大発見をした気になりました。…なんて、見た瞬間にわかる人ばかりだったら、恥ずかしくて、言えない言えない。 >実は一時期、真剣にお菓子を勉強してみようと思ったこともあったんですよね。 ↑ happyteatimeさんではありませんが、私も、紅茶を習っていた時期があるので、そちらの方をもう少し真面目に極めておけばよかったな~、と思うこともあります。 お菓子も紅茶も、食器も、カトラリーも、テーブルセッティングも、お花も、みんなつながっている世界ですよね☆ (2006.12.28 19:23:41)
ガレットさんの、感動の軌跡が、伝わってきました。
私は、ZIPの意味は、とりあえずカタログを見た時にはわかったものの(我が家で、ジップロックを愛用してるからかしら・・?)、なぜZIPのデザインに?というのは、あの断面を見た際に、はじめてわかりました。 はっとさせられますよね。 ただ、エコスの意味がよくわからなくて・・そうか、こういったお菓子があったのですね!ありがとうございます。 (2006.12.28 21:30:01)
あぁ~、ジップロックも「ZIP」ですね~。身の回りに色々ヒントがあるのに、最初に「郵便番号」と思い込んでしまったら、わけがわからなくなってしまいました。
断面を見た時は、感動しました! いつも思うのですが、お菓子をいただく時は、パティシエが何をめざしてそのお菓子を作っているのか、パティシエが伝えたいことを正確にうけとめられるようになりたいな、と。 簡単な時もあり、難しいこともあり、びっくりする時もあって面白いです☆ 『エコス』を知っていたのは、偶然なんです。 たまたまブログ仲間で「お菓子友達」の、超・お菓子&パン&料理が上手な(教えている)友人のハンドルネームが「えこす」さん。 えこすって何?と尋ねたら「堀江シェフの本にでている大好きな焼き菓子」と。私も同じ本を持っているので、チェックしていました。 最近、色々な知識が、思わぬところにつながったりして、面白いです♪ (2006.12.28 22:50:46)
私も一枚目の写真じゃチョコレートがファスナーの形になってるの気が付きませんでした、、。発想がすごいわ~、面白い!
でもファスナー型のチョコレート型なんてどこに売っているんでしょう?やっぱり特注なのかなー? (2006.12.29 09:03:39)
よかった~。wild bambiさんも、シンプルなデザイン…とだけ思い、一目で「ファスナーね。」と見抜いたのでなくて。。。ぱっと見て「誰でもすぐわかるよ!」と言われてしまってはどうしましょうと思ってました。
私も気になっていました、この型。よ~く見ると、本当にファスナーに見える模様は、エヴァン氏のこだわりの特注なのでしょうね! そのおかげで、遠くはなれた日本でそれを見てすごい、面白い!と大喜びしている人がいるのですから、お菓子で感動を伝えることに成功していますね☆ (2006.12.29 09:17:45) |
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