カテゴリ:大久保一彦のひとこと情報
構造不況という言葉があります。
経済が急速に発展するときにその流れにうまく乗っていれば、商売もうまくいきます。反対に、経済の成長が止まりますと、競争が激化、商売が立ち行かなくなります。 飲食店も今、まさにこの構造不況の時期に突入しています。1970年代から30年以上も業界を引っ張って来た会社がまさに構造不況の壁に押しつぶされそうなんです。 さて、儲かる飲食店、儲からない飲食店というテーマで連載をいただきました。ですので、ちょっと、儲かるということについて、今回は掘り下げて見ましょう。 市場が順調に成長している時、需要に応えていく、ニーズに応えていくことが大切です。市場が伸びているときというのは、新規客が取り込める時期であり、ニーズ自体、拡大傾向にあるわけですから、ある程度幅広い人に受け入れられれば、急成長することができます。 幅広い人に受け入れられるにはほどほどに手に入りやすい価格にする必要があります。そのためには、コスト管理が重要になり、店の業務をプロセス化し、低賃金の単純労働者をうまく活用するのです。また、急成長するには熟練の腕は、技術習得に時間がかかるためかえって向きません。 この時代、店をプロセス化、パッケージ化して拡大し、ローコスト化を推進し、儲けを生み出して来ました。飲食店は、市場がいっぱいになるまではいくらでも拡大できました。ですから、1店舗でじっくりやっていること自体、「利益が上がらない、つまらないもの」と考えられたわけです。 しかし、時代は変わりました。お客様が欲しいものは、だいたい手に入るようになり、店余りの状態です。価格も競争激化により、低価格化の一途をたどっているのですから、売上や儲けも少なくなっています。これだけ選択肢があると、お客様も「欲しい」と思った瞬間だけに購買活動をするようになります。 「欲しい」というものは感情であり、よく考えると別に必要ではないものの場合も多くあります。飲食店に「欲しい」という感情を当てはめてみると、インターネットを見たり、店舗の前を通ったりした時に「行きたい」「行ってみたい」と思うこと(欲しいという感情)になります。 競争が激化した飲食店にとって大切な儲けのキーワードはこの感情をどうおこさせるかにあるのです。単に料理がおいしい、サービスがいい、内装がきれいといった単純なものでは、不十分なのです。 店全体のバランスをしっかり考え、店自体がミュージカルの劇場のように心を揺さぶるものにならなければいけません。 お客様の感情を揺さぶるには、根底に自分らしいテーマやメッセージがあり、そのテーマやメッセージに基づく脚本がなければなりません。続いて、その迫力ある脚本に基づきしっかりとした演出を行わなければなりません。 このテーマやメッセージ、脚本、演出という三要素が店余りの時代の儲かる店のキーワードになのです。 次回は、愛される店についてお話します。 大久保一彦のホームページは 繁盛の天才2時間の教え お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.27 23:39:52
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