カテゴリ:経営者のための連続コラム
霜降の連続講座 会報『繁盛の達人』2012年6月号より 価値観共有経営 その1
媒体の変化 何かを販売をしていこうとする時に、今まではマスコミを使って情報を流していました。 医薬業界などに関してはそうだとも思いますが、高いCM料を払ったり、TV番組に情報をリリースしたり、TV番組のスポンサーになって自分の情報が有利なようにコントロールしたりしていました。 (中略)マスコミの情報というのは少なからず信用できないものも多いということに多くの人がだいぶ気がつくようになりました。 だいぶというのは、まだまだ気がついていないという人も多いという意味も込めて私はこの表現を使わせていただきます。 ある程度の人は昔のように国が流す情報を鵜呑みにしていいというものではないなということを思うようになってしまいました。 なぜ、そうなってしまったかというと、今までは情報を知る媒体というのはTVや新聞などのマス媒体しかなかったのですが、インターネットやスマートフォンの普及で、自分で情報を発信できるようになったことが大きいです。 また、自分で自由に情報を入手することができるようになったことも大きいです。 情報の大衆化です。 この情報の大衆化で、少なからず今までのように上から降りてきた情報に対して、「あぁそうなんだ」と受け取るウェイトやそう鵜呑みにする人の占める割合は減少してきています。 海外で暮らしたことのある人は、「上からの情報は100%信用しちゃいけない」というのはごく当たり前に思っている人は多いのですが、日本人はまだまだそうではないですね。学校の義務教育がひとつの答えを求めていくようになっているせいなのかもしれないません。 今、様々なマーケットがある中で、情報というものをどのように発信するかというのが問われるようになりました。少なくとも、売ろうと思って積極的に自分の商品や店にとって有利な情報を流して、それが嘘だった場合、大変なしっぺ返しを食らう時代になっています。 今までは都合の悪い情報は流さず、都合のいい情報をうまく流して信じ込んでいただいて、都合が悪くなったら違うものを探していくといいうことも可能でしたが、今は本当に価値のある人が、しっかり情報を流してお客様に共感を得ていかなくてはならない時代になりました。 自分の都合のいい情報を積極的に流していくことを“アクティブ・アプローチ”と言います。メニューなどを見ていてもアクティブにアプローチしている店はたくさんありますが、しかし、それが通用しなくなってきています。 では、どうすればいいのかというと、等身大の情報をしっかり流しながらも、お客様に共感を得ていただく。等身大の情報である必要があるわけですから、情報の価値を本物の価値を高めていかなくてはいけません。 今までは、「そんな面倒なことをそこまでやらなくてもいいじゃない?」といっていましいたが、商品というものを極めていこうとしたら、そういうところには妥協をせずにすすめていかないと、「あそこのお店良いことを言っているけど実は美味しくないんだよ」と言われてしまいます。 このようなことから、経営資源に集中して得意技を磨くようになると、マーケットが細分化されていきます。 例えば、高級店でお客様がなぜお金を払うのかと言うと、他の店がやっていることよりも、そこにある想い、想いを実現しようとするためにやっていることが他とは明らかに違うとお客様が感じるから敢えてその店で高いお値段を支払うのです。 しかし、その違いは理解しにくいです。 特に商売に携わる人間が理解するのは難しいです。身に着けるものも多いです。 それにも関わらず、高単価商品を扱う商売の勉強をする機会は意外に少なく、知らない人のほうが多いです。 どちらかというと必要なものを安く売るという方が理にかなっていて簡単ですから、どこかで働くと、こちらを学ぶことになります。 高級店は、それなりのお値段を頂いて、お客様にそれなりの支持を頂きます。それは想いや理念がベースにあってそこでお客様との信頼を構築して、自分の価値観でしっかり結ばれていくというスキルが必要です。 お金で情報を流す権利を買って、情報を制すればいいという時代は終わりました。 PR活動、Public relationと言いますけれども、マスコミなどを使って情報を流す作用というのはより弱まってきています。その原因は情報の大衆化、インターネットの普及やスマートフォンの普及が非常に大きく作用しているのです。 会報、2012年6月号より 本日のおすすめ 【中古】 小さな飲食店が成功するための30の教え /大久保一彦【著】 【中古】afb いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか [ 大久保 一彦 ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2021.11.07 11:06:50
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