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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2011.11.18
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 商売は大きくふたつに分かれるようになりました。
ニーズを満たし、発展して自己実現をするというパターンです。
有名なラーメンチェーンは、「フェラーリに乗るぞ!」を合言葉に急成長したそうです。
ラーメンのような日常食の延長線上にある生活の一部を売る商売は、商売自身に社会性を見出すことは難しく、誰かの利(金銭欲や物欲)で動機付けさせベクトルを向け発展するわかりやすいパターンがあります。

 第二次大戦で敗戦し焼野原になっていた戦後の日本は、いかに生きていくかが国家的な課題でした。したがって、「生きていく」、「お金を稼ぐ」のようなわかりやすい価値観を軸に向かい邁進してきました。
だからこそ、学校を卒業すると取りあえあえずどんなところでもいいから就職しました。

 国が豊かになると、「生きていくため」から「自己実現」へと価値観は移行していきました。最近では「やりたい仕事でなければあえて就職する必要がない」と考える学生が増えています。
四十数年生きてくるとやりたいことに出会うことができる人は少ないことがわかりますが、豊かになった日本はそういう状況になりました。

 そこで、二つ目の商売のパターンが生まれ、共感で結ばれて発展するパターンです。
この場合は、社会性の高い価値観(使命)をもとに、人が集まり、価値観が広がる形態です。
アメリカのホールフーズマーケットなどは代表的な存在ですが、このパターンを世の中では理念経営と言います。
ホールフーズマーケットは「良いものを広めることはよいことだ」という価値観のもと、アメリカ中に良いものを広めています。
 私はホールフーズマーケットを追っかけて十数年になりますが、最初は「何でこのスーパーは店によって置いている商品が違うし、売り場のレイアウトなども全然違うんだろう」と思っていました。
その原因は、当時の私が、商品を軸にものを見ていたからに他なりません。
今まで商売のやりかたは共通する商品やパッケージを広める(普及する)やりかたでした。
最初は生活必需品から始まり、利便性を高めるものへと移行して、サービスを付加したものになり、最終的にはターゲットを絞り込んだものに移行しました。
しかし、いずれにせよ、ものの普及は、導入期、成長発展期を経て成熟し、終焉します。

 その点、ホールフーズマーケットが広めている「良いもの」とは人によって異なる、答えがないあいまいなものです。しかし、そのあいまいさ、生活環境、生活習慣や文化の違いから生ずる個々の違いをカバーしてしまいます。
したがって、「良いもの」という抽象的な価値観を追及することには終わりがなく、永続的に発展できるのです。
それは、成熟した社会でひじょうに理にかなっています。
裏をかえすと、世の中が成熟して、この価値観の共有という商売の形態が生まれた。その典型がホールフーズマーケットだったということができるでしょう。





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Last updated  2011.11.18 22:24:15


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