テーマ:日本料理(368)
カテゴリ:大久保一彦の二つ星と三つ星の間
“飲食店の勉強代行業”の大久保一彦は深川に出没しております。
こちらは、私の祖母が生まれ育った場所で縁があります。 今日は『みかわ是山居 (ぜざんきょ)』にて、天ぷらの勉強をしたいと思います。 こちらは、天ぷらみかわのいわば“総本山”で早乙女哲哉氏が自ら、天ぷらを揚げる店。 『第三春美鮨』の長山一夫師匠がイチオシする天ぷら屋です。 長山師匠曰く、火入れの絶妙さが早乙女哲哉氏の特徴。 これを超える天ぷら屋はないと豪語する。 さて、早く到着して、三階の待合室に案内されます。 目的は展示物。今回は硯が展示してあります。 店内のいたるところに美術品の展示があり、見ているだけでも楽しいです。 二階の踊り場の迷子の神様仏様という展示が印象的です。 カウンターに通されると早乙女氏の上には帽子の形をしたフードがあります。 リーフレットによれば、相武常雄作だそうだ。 そこに、すらっとした、早乙女氏がおります。 印象的なメガネと法線、その眼鏡かから鋭い視線が注ぎこまれます。 テーブルには“美川の流れ”というお品書きがあり、出てこない素材には赤い字で小さく×が書いてあります。 まずは、さいまき海老からスタートです。 一つ目は長山師匠が言う“絶妙な火入れ”。 胡麻の香りが口に広がります。 二つ目の海老は、それより火を入れて甘さが広がります。 一つ目の海老と違い、ふたつめですから車海老の繊細な香りが広がり、かつ火入れが少し余分に入ることで海老の甘さが口いっぱいに広がります。うん、面白い。 海老の頭。 こちらは少し長めに火入れをしてサクサクに仕上げています。 綺麗に口の中で細かくはじけて、粉となります。 絶妙の火加減と言えるでしょう。 続いて、鱚です。 茶卓のような形に揚がった鱚はふわっとしています。 胡麻の香りが来た後、やさいい素材の塩見と甘さが広がります。 淡白な魚ですが、口の中に広がる複雑さがいいですね。 障泥烏賊は拍子木になって揚げます。 ひとつはぎりぎりの火入れ、もうひとつはそれより少し火を入れた印象です。 火入れがぎりぎりのほうは障泥烏賊のねとっとした食感がなんとなく感じられます。 雲丹の大葉巻 めごち めごちは2分45秒くらい揚げておりました。 ゼラチンしつがいい感じですね。 揚げるととてもおいしい魚です。 稚鮎がたで酢おろしを添えて提供されます。 ひとつめの鮎は“香魚”にふさわしい、少し青臭い香りが強調されています。 ふたつめの鮎はバランスの鮎という印象です。 穴子 穴子は裏で開いて、バットにのせて提供です。 菜箸を使って目の前で割るパフォーマンスが印象的です。 穴子のそり加減は、そんなに大きくない印象です。 五種の野菜から 私がチョイスしたのがアスパラと椎茸そしてサツマイモです。 アスパラはふたつ割にして、穂先はアスパラの独特の青くささを強調して、半分は柔らかく甘いアスパラです。 早乙女さんは茄子、サツマイモというか野菜はしっかり火入れされているのが印象的でした。 最後に〆は小柱の天茶。 天茶の出汁が小柱の味わいを引き出し、おいしかったです。 また、勉強しに来たいと思います。 みかわ是山居 (ぜざんきょ) 東京都江東区福住1-3-1 電話 03-3643-8383 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019.08.15 11:21:04
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