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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2016.06.17
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カイノヤ (CAINOYA)@鹿児島市 ~鹿児島に住むガストロヴァックとマルチフレッシュの魔術師 鹿児島に旅をさせる唯一無二の“塩澤劇場”
 4年ほど前鹿児島市天文館にホテルの顧問先があり、いろいろな店に行きました。
その時に行きたかったのに行かなかった店があります。
今回紹介します『カイノヤ』です。

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 「人は必然に出会い、必然に分かれる」
あの時、『カイノヤ』に行っていたら、『カイノヤ』の良さはわからなかったかも知れません。“勉強代行業”というコンセプトに出会い、唯一無二の高級店のコンサルティングの一歩を踏み出したからこそわかる、そんなことを実感した一夜となりました。

 一年前、『ミチノ・ル・トゥールビヨン』の道野正シェフのFacebookにガストロヴァックの講習会でこちらの塩澤シェフの紹介をされていました。私はとても興味を持ち、塩澤シェフに友達申請しました。
私は塩澤さんの投稿を一年ほど見ながら、ガストロヴァックの可能性が仕事に有用に思うようになり、鹿児島への旅にかられていました。
 今回、「『カイノヤ』は二人からしか予約を受けない」という私の単なる思い込みがあり、『ホテル木暮』の木暮夫妻を半ば強引に誘って初回訪問となりました。

まず『カイノヤ』について・・
「cainoyaは少し特殊なレストランです。お料理はお任せですし、コンサートやショウの様に一斉スタートでワインもペアリングで基本的にお客様に全てを委ねて頂くレストランです。そして決して安くはありません。誰にでもフィットするレストランではないかもしれません。「お客様を選ばなくてはお客様に選んでもらえるレストランにはなれない」そう考えています。ご予約前、ご来店前に是非cainoya塩澤のblogもしくはcainoya dal 1931のFacebook pageをご覧ください。食材のこと、仕込みのこと畑のこと、これからのこと、プライベートな事も含めてそこで共感できたり興味をお持ちになれれば、より楽しんで頂けると思います。」(当店「食べログ」より)

 せっかくでので、料理は“フルスペック”でワインはペアリングでお勉強します。
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テーブルにつくとカモミールとレモングラスの冷たいハーブティが供せられます。

・“GV”鱧のフリット
LA CASA DELL’ORCO/ Fiano di Avellino 2013 (Fiano di Avellino 100%)
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ポルチーニが入った鱧のフリット。「美味しい~、お椀だわ~」木暮の奥様のひとことがすべてを物語る。
この一皿目でガストロヴァックの可能性を確信しました。

まず、ガストロヴァックによる減圧調理とは
「減圧することにより食材の細胞内の空気が膨張し「スポンジ効果」を生み出します。このことにより、だしや調味液が食材内に入り込みやすい状況を作り出します。通常気圧に戻す際に食材内の空気が収縮すると同時に周りの調味液が強制的に吸収されます。味や香りなどの浸透度に合わせて減圧度や加熱温度・時間を調節することができます。」(FMIのHPより)

 常温で減圧、すなわち宇宙に食材を自在に投げるようなもの、細胞がスポンジなり調味液を吸い込む、しかし、常圧に戻すと離水する。この難点を塩澤シェフは保水作用のあるトレハロースを活用することで、椀のようなフリットとなる。すばらしい。

・フォアグラと苺
CHATAEAU D’YQUEM/ Lur Salueces 1996(Semillon, Sauvignon Blanc)
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凝縮したクリーム状の血抜きしたフォアグラにフランボアーズビネガーを浸透させた苺とラズベリー、そして、1本10万円はするであろう1996年のフルボトルのデュケムの深~い味わい。鹿児島なまりで説明する塩澤さん、恐るべし~。

・“GV”ヴィシソワーズ バターのジェラートと胡椒の泡
Trentino Alto Adige: J Hofstater/ Gewurrztraminer “Korbenfof” 2013(Gewurrztraminer100%)
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「じゃがバターです」という説明。
先味が水っぽさすら感じるビシソワーズ。しかし、ドライなゲブルツと甘いバターのジェラートと合わせていくと、口の中で初夏の新じゃがのニュアンスが広がります。
それとともにドライなはずのゲブルツが甘くなる不思議。

・“GV”新玉ねぎのパイ包み パルメジャーノレッジャーノのチーズのジェラート
Trentino Alto Adige: TIEFENBUNNER/ Linticlarus 2012 (Chardonnay100%)
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甘~いカラメリゼした新玉ねぎ。そこにチーズの塩味とコク。樽の効いたシャルドネ。間違いありません。

・“感動の” “GV”真魚鰹と茄子
Veneto: ZENATAO/Lugana Reserva 2013(Trrebiano 100%)
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神経〆した愛媛の真魚鰹。ストヴァックの素晴らしさを感じた一皿。西京漬けにしても、漬け魚としての味しかない。ここまで真魚鰹を感じた皿が今まであっただろうか。
素晴らしい以外の言葉が見つからない。

・“GV”鹿児島県産スカンピとブルターニュ―産ブルーオマールのスプリングロール
Saldegna: ARGIOLAS/ Is sorinas 2010(Carignano95%, Bovale5%)
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塩味の効いた海老たち。食べるほどに塩味が増す。タルタルは塩澤家二代目のレシピ。
この味わいが、海沿いサルディーニャの赤と結ばれる。

・“GV”鰻
Veneto: ZENATAO/ Amarone della Valpolicella Cassico 2011( Corbina80%, Rondinella20%)
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大隅半島鹿屋(かのや)の鰻。天然ではない。
蒸し煮にしてふっくらしたさせた鰻と黒いが焦げでないサクッとした食感の鰻。
ソースは砂糖を使わず骨の出汁とバルサミコを煮詰めた。

・“GV”イタリア産鳩のアイアンステーキ
BASILICATA: ELENA FUCCI/ Titolo 2009( Aglianico100%)
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名物のアイアンステーキ。丸ごと焼き上げたしっとりとかつ旨さが凝縮した鳩。赤ワインとがらのソース。ソースもうまいが、ソース不要。でもソースつけるとさらに旨い。
エレーナフッチは女性の作り手。

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胡椒のパン

・“GV”クリスタルサラダ
Veneto: OPERE TEVIGINE/ Opere Brut Riserva 2009(Pino Nero100%)
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これもガストロバックの凄味。ミネラルウォーターを減圧調理して海藻のように透き通った野菜。野菜の食感もいい。
砂は白=オリーブオイル、黒=オリーブ。赤白のビーツ。
ここでワインは泡。野菜は泡が合う。

・ピーチ 鹿屋市“ふくどめ小牧場”の純血チンタネーゼ豚のラグー
Toscana: VITANZA/ Quadorimendo 2013(Sanjiovese90% Merlot10%)
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飲むほどにメルローを感じる組み合わせ。

・天龍鮎のリゾット
Emiliaomagna: LA TOSA/ Sauvingnon Blanc(Sauvingnon Blanc100%)
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苦味とサクミのアクセントのリゾット。
浅利と鮎の頭の出汁を注いでリゾットに。

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桃ととリンゴ黒酢のジェラート

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Cainoya風ティラミス

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アフォガード

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フィナンシェとチョコレートムースとカボチャ

銀座や六本木は集まる場所、鹿児島市は集める場所。塩澤さん恐るべし~

カイノヤ (CAINOYA)
鹿児島県鹿児島市城山町2-11 ドルチェヴィータ B1F
※残念ながらブログ掲載後閉店し、京都に移転しました。





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Last updated  2024.02.17 11:41:18
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