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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2019.06.18
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真妻(まづま・赤茎)山葵と実生(みしょう・青茎)山葵
 受講生の皆様、本日は山葵の勉強をしましょう。
ワサビは大別しますと「真妻(まづま・赤茎)」と「実生(みしょう・青茎)」に分類できます。

(1)真妻(赤茎)
 茎は、深く濃い緑色をし、葉の付け根の部分は赤っぽく、臙脂(えんじ)色をしている。成長が遅い(「実生」は1.5倍ぐらい早い)ため、身質は良く詰まり硬い。表面の成長の年輪であるぶつぶつは小さく、びっしりと間隔狭く、ラセン状に揃って並んでいる。辛みの中に、十分な甘みがあり、爽やかな香りを持つ最高品種のワサビである。

※下記は御殿場の真妻山葵の風景












この山葵は一本2000円。




こちらが産地を比べたうまみ成分のデータ。

 ワサビの中でも、この「真妻」が特に旨いのであるが、栽培は非常に難しい。1本のワサビの母体から採れる分根の苗種はたったの2本。苗種は環境への順応性に乏しく、涌き水でしか栽培できない。産地による品質のばらつきも多い。病気の発生も多く、さらに成長も遅いため採算が採れにくく、近年特に栽培が激減してきている。もともと高価なワサビであるが、さらに高価なものとなってしまっている。ワサビ漬け、花ワサビのお浸し等、ワサビの加工品は、本来「実生」で作られることが多いのだが、「真妻」を用いるとさらに旨くなり、辛みも強くなる。

(2)実生(青茎)
 茎(いも)、葉の付け根、すりおろしたワサビの色、共に青白っぽい。成長が早く、少し水分が多い。成長の年輪でもある表面のぶつぶつが大きく、その間隔は広い。身質が柔らかいため、おろして行くとすぐに減ってしまい、使いでがない。辛みは強いが、ワサビ特有の甘みと香りは、「真妻」と比較すると、かなり欠けるところがある。
 花が咲いた後の種からの栽培は比較的簡単なため、全国の産地で積極的に栽培されている。品種的には、遺伝的な劣化が早く、品種のばらつきも目立つ。成長が早いために経営上の採算効率が良く、安定しているのだが、値は「真妻」と比べるとかなり安価となる。長野県(信州)は「真妻」の栽培の環境条件に適合せず、この一帯で栽培されているワサビは全て「実生」である。

高級店以外でほとんど使用しているそば店や寿司店は見かけませんが、真妻山葵を使っている店をみつけたら、蕎麦を食べるときには、蕎麦にのせて軽くつゆ(タレ)をつけて食べましょう。
二年生の”真妻山葵”はほとんどの店が使う“みしょう山葵”とすり立てより、しばらくおいて辛み成分がうまみ、甘さに変わってから食べたほうが良いです。
これは知っているからわかる“既知”のおいしさですね。

 ちなみに、多くの大衆店は、1キロあたり2万円する真妻山葵はもちろん、実生山葵も使いません。
多くは、大根が原料で山葵は香料を入れたまぜ山葵です。
ちなみに、この香料と大根由来の辛さを求める人には難しいですね。
それに化学調味料(表記はアミノ酸)と合成物は相性が良いです。


参考:
http://www.town.wakayama-inami.lg.jp/contents_detail.php?frmId=276





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Last updated  2022.11.28 07:42:25


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