テーマ:日本料理(368)
カテゴリ:会員向け日本料理研究会
厨 しんさく(くりやしんさく) @金沢市 ~ 細部に美ある「脱まいったか系」の審美眼を問う料理
少し前の訪問の勉強録です。 コロナ渦の日曜日の夜に日本料理店の勉強会はできないか、と依頼を受けました。 しかし、金沢の日本料理店は定休日か、予約の困難な店が多く、私の知る飲食店も予約で満席とのことです。それはそれで凄いのですが、困りました。 そこで、昔、塾生だった『広坂ハイボール』の店主の宮川元氣さんに久々に連絡をしてみました。 そして、おすすめされたのが、今宵のお店『厨 しんさく』です。 早速予約を入れまして、よくわからないのでお任せでお願いしました。 あっ、コースのお値段をお聞きするのを忘れました。 雪の夜、店内には一番のりで到着です。 カウンターに座りますと、とても素敵な炉が目に入ります。 店主に尋ねると、戸室石で作った炉だそうです。 戸室石は、金沢市の郊外に連なる、戸室山周辺から産出されます。古くは金沢城の 石垣として使われ、庭石としても愛用されてきました。 ※戸室物産株式会社のHPより こちらが、メニューです。 気軽にアラカルトでという感じで、こういう店はほんま少なくなりました。 本日はお任せなので楽しみです。 先付は白子豆腐です。 手取川あらばしりをあわせます。 鮃の龍皮巻き 京都のおせちに欠かせない「龍飛巻き」は、塩でしめたひらめを龍飛昆布で巻き上げます(故西健一郎先生) 煮物椀 蛤しんじょう、海老芋の椀 鮑、紅人参など。 これはおいしいです。 続いてはお造りです。 なめらと能登の鰤とからみ大根 マハタ 続いては燗酒にします。 お酒は店主のおすすめで「池月 純米酒」です。 蓮根饅頭 蟹あんかけ 釣り鰆の遊庵焼き 丸芋 唐墨 とても綺麗な焼き物です。 もちろん、戸室石の炉で焼いています。 紅ズワイ湯葉、五郎島金時、雪平茸?の天ぷら お食事です。 お食事は、丸岡在来種のおろしそばとズワイガニの蒸し寿司 丸岡在来種のおろしそば そば湯 ズワイガニの蒸し寿司 ぜんざいかな 参考 https://discoverjapan-web.com/article/1082 とても手間をかけた料理屋らしい料理で、宮川さんにはたいへん素晴らしい店を紹介いただきました。 器もすばらいかったですね。 しかも、これで一人9,000円とは。 コロナ以前はグローバル化の時代で誰もがわかる高級食材を駆使した「まったか系」のお料理の劇場型経営が全盛でした。 細部に美ある「脱まいったか系」の審美眼を問う料理で、コロナ後にふさわしすばらしい勉強ができる店に思います。 また、会員の勉強会に使わせていただきたいと思います。 厨 しんさく 〒920-0988 石川県金沢市木倉町2−7 電話 076-260-4026 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.01.04 10:46:19
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