テーマ:日本料理(373)
カテゴリ:会員・塾生訪問
江戸前晋作 @人形町 ~ 材料を焼きあげる独創的な天ぷら
会員さんより希望多い会員の西村さんの『江戸前晋作』。 甘酒横丁に移転しました新店舗で会員向けの貸し切り勉強会を開催しました。 今宵も蒼々たるメンバーが集まりました。 カウンターの板は、アフリカの神宿る木、樹齢700年のブビンガで、カウンター後ろは緑青銅板が貼ってあります。 連続猛暑日の記録を更新したとメディアが騒いでいるような日で、まずはビールで喉を潤すところですが、最初に車海老、鱚、泥障烏賊と出てくるのがわかってるので冷酒にします。 大将のおすすめは「宗玄」のにごり酒です。 にごり酒ですがとてもきれの良いお酒で車海老の甘さを引き立てそうです。 車海老 おっと、皆さん天ぷらが全員に行き渡るのを待っているようで、参加者に火が入ってしまいますので早く食べてください、と教育的指導をしてしまいました。 寿司以上に瞬間勝負です。そして、次はもっとレアで出てきますので、とっと食べてください、と。 個人的な好みではありますが、こちらの店は天つゆは不要ですね。 なので、大根おろしは、焼き鳥屋の口直しのように天つゆに入れて召し上がってください。 それでも、長山校長のような江戸っ子は天つゆ使うと思いますが。 2本目はレアな車海老 レアです。 海老鬼がら 鱚 五日くらい寝かせて脱水。さくふわです。 よく干物にする鰈、そのまま食べても味わいがないです。 私のとなりに『山ばな平八茶屋』の営業部長が座っていますが、味わいが干物の笹鰈みたいだと共有しました。一般的に水っぽくて、味わいがない鱚が出てくることがほとんですが、すばらしいです。 この鱚が揃わない時勢にして味わい深い鱚すばらしいです。 ここでお酒は燗酒にしましょう。 三笑楽 山廃純米 燗酒にて 酒器が素敵ですね 1週間寝かせた泥障烏賊 ねっとりした食感を残しぎりぎりの火入れ。 うまいです。 初めて参加した会員さんから泥障烏賊に感動した、と。長山一夫翁をみかわの虜にしたのも烏賊でした。食べてなければ未知との遭遇となるのでしょう。 赤甘鯛 甘鯛はサクッとしたテクスチャから始まりゼラチン質の食感、そして濃厚な美味さとなります。 例えるならメゴチのよう。 となりに座っている園部さんはぐじ懐石の『山ばな平八茶屋』がご実家で喜んでいただけたようです。 甘鯛をFacebookに連動してアップしますと、食通の友人から「皮も鱗も全部包んで天ぷらにするのですね。松笠で揚げる店が多いのに」とコメントをいただきました。 私は、「彼の調理方が天ぷらと言いながらも焼成を重視してますから。 この甘鯛も多分140から150度の低温から入って高温で仕上げてると思います。 それなので、レアと言うよりはふわふわな感じです。 甘鯛の調理が、いつの時代か鱗が衣みたいになりましたが、そもそも昔ながらの京都の日本料理屋においては、ぐじの松笠焼きで鱗が立つと失敗で焼き直します。 そう言う意味で、本来の松笠焼きであると言えるのでないでしょうか。」と返信しました。 余市の空豆 こちらはお隣の老舗のお宿の大将が注文のお酒です。 飯田の若鮎 函館の白口浜の真昆布の味わいが効いた鹿島の蛤の出汁。 余談ですが、私も昆布の土居の川汲昆布を使います。今は飲食店に遠慮して養殖を使っていますが。 利尻の蝦夷馬糞雲丹 レア加減がとても良いです。 続いてのお酒は「菊姫 鶴の里」の燗酒です。 金沢の会員さんは蟹などに合わせますが、穴子や野菜に合わせようと言う感じでしょう。 対馬の穴子 サクッとねっとり味わい深い。 味付きの穴子 守破離を経て“どこにもない穴子”となりましね。 すぐ真似る店が多いですが、これは二枚落ちの店でないければ恥ずかしくて真似られないでしょう。 茄子 150から60ですたーとして、180度 かりっとしてとろりと、そして甘い 茄子 味付き 椎茸 凄い椎茸。まさに焼いた以上に焼いた椎茸。 2年熟成したメイクイーン 一年半前かな、初めて提供した時に会員の口の悪い北海道出身の大将にふつうだと。 確かに北海道で食べている私もそんなに特別には思わなかった。 ある意味酷評されましたが、それをバネに、もはや超越したどこにもないうまさになりました。 ちなみに表面は皮ではありません。 150gくらいのじゃがいもを半分くらいに剥いて熱を熱圧をかけて細胞を壊して内部爆発して糖化焼成したでんぷんです。 2時間かけて揚げてます。まさに看板料理の芋っ子だな。 程よい酸味と旨味の味わい。 時間の経つのは早いもので、お食事です。 赤だし 香の物 車海老と帆立天丼。 本日は小柱が市場にないので、とてもすばらしい出色の丼。 鮪茶漬け まずはそのまま・・ 西村さんの本郷の店の契約する直前、試食会で初めて西村さんの出したい料理を試食し、天ぷら屋をやりたいことがわかりました。天ぷら屋ですから天ぷらはアドバイスすることはせず、ただふつうにおいしかったと言う天ぷら屋にならないよう、普通は天丼か天茶で〆る常識を変えれば他とは違う店に見えると言うギミックくを使いました。それが鮪茶漬けです。鯛茶漬けが良いかなとは思ったんですが、価格変動が大きいことと、ぼうずの日に食材をほかすことになり、鮪茶漬けにしました。そうすることで、天ぷらを王道で攻められます。鮪茶漬けは江戸前晋作を代表する料理となりましたね。 チンドン屋から初めて進むべく王道にすすむ、私の会員の経営方針ですね。 水菓子 本日の会計は税込33,000円。納得の会計ですね。 江戸前晋作 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2丁目10−11 KYOE PLAZA 6Fでで 電話 03-5615-8728 HP: https://www.shinsaku.tokyo/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.07.03 17:45:44
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