「経営状態の見える化」
前回からの続きです。 第一章 「経営状態の見える化」 著書「飲食店の見える化経営」(日本能率協会マネージメントセンター)の章立てを前回書きましたが、、この中で大切なのが、第一章「経営状態の見える化」と第二章「戦略の見える化」です。 なぜ重要かと言うと、それは経営の目的がひとつは利益を上げ、手元のキャッシュを増やすこと、そしてもう一つが、会社や店のビジョンやミッションを実現することにあるからです。 第一章の「経営状態の見える化」が利益を上げ、手元のキャッシュを増やすことにフォーカスして、第二章の「戦略の見える化」が費用対効果的に会社や店のビジョンやミッションを実現することに対応しています。 今回は、第一章の「経営状態の見える化」をみましょう。 こちらの章ではお金の流れを見ていきます。 そして、その流れを共有して、お金がどうしたら増やすことができるかを考えます。このプロセスは非常に重要で、闇雲に経費をかけないこと(お金を使わないこと)が必ずしもいいことでないことをまず理解できるようになり、構造不況期にありがちな縮小均衡という最悪の事態から逃れられます。 経費にはお客様を増やすための投資的な面と、運営に必要な経費的な面があります。 例えば、「ぐるなびに月30万円かけていてもったいない」という人(以前の私もそうでしたが・・)がよくいます。 しかし、もともと暇な原価率30%の店が「ぐるなび」に30万円かけても、もし42万9千円を超える売上があれば、費用対効果はとれていますし、新規客が来ているわけですから「ぐるなび」に30万円使ったことは決して悪いことでありません。 いや、全く何もせず、新規のお客様が全く来店しないよりはましなのです。 お金を増やすための悪は利益率が管理指標よりも高いことではなく、お客様増やすための的確な措置を何も講じないことです。 そして、この「ぐるなびに30万円かけて43万円以上の集客があり、効果がなかった」という店は大きな成長を阻害して、後退させる問題があります。 その問題点とは、せっかくメディアを使って引っ張ってきた新規客をある程度再来店するように業務の改善をしていないことです。 それなのに、多くの店は経費を使ったが売上アップしなかったということで片づけています。 「ぐるなび」を利用する見込み客のニーズは宴会や誕生会です。場所・人数・予算の三大要素のニーズがあった店を選びご来店されます。 そのニーズにあってせっかく獲得した新規客を単に店を回しているだけのサービスをしてしまい、再来店させることができなかったことが問題なので。 確かに、優しいことではありませんが、それができている店だからこそこんな時代でも繁盛するのです。 本当にお客様が増えない原因を明確にして業務改善を行い、知恵をストックする。 これが見える化の本質です。 経営の目的のひとつは店や会社のキャッシュを増やすことですので、まず、費用対効果よくお客様を増やし、粗利益を増大させなければなりません。少なくともお客様を増やすためにお金を使わなければお客様は増えないのです。 そこで、お客様を増やすために使うお金を戦略的に検証する必要が生まれます。 お客様を増やすためにお金を使う方法は戦略的な商品なのかもしれませんし、ピークに人を増やすことかもしれません。 あるいは、上記のような販促費かもしれません。 第二章の「戦略の見える化」の部分では戦略マップに店の行くべき方向を明示して、つまり、ビジョンあるいはミッションに日々の運営をするスタッフの意識を向けていくことについて書きました。 この戦略マップ――スポーツで言えば、勝利に向かうためのフォーメーションや役割分担ややるべきことを明確にしていきます。 この第一章、第二章のふたつの項目を掘り下げ、具現化するために残りの第三章~第六章があります。 大久保一彦の本 【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.05.29 07:18:39
[“経営思想家”大久保一彦の次の世代への哲学] カテゴリの最新記事
|
|