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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2024.05.08
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PRETTY PORK FACTORY & KATSU プリポー @原宿 ~畜産家を見いだし、肉のおいしさを追求するとんかつ屋
 原宿にできたハラカドなる商業ビルに但馬玄を寵愛いただいている髙さんが豚かつとサムギョプサルのお店をオープンされました。
九段下の事務所への帰りしなに立ち寄ってみたいと思います。





まずは、髙さんのFacebookの投稿からお店の紹介を引用します。

各々の個性が出るのもとんかつ
KATSUプリポーは揚げ士が存在します
1. 髙忠伸
2. 菊井誠
3. 非公表
私は全くの素人な所からTACUBO 田窪大祐 シェフの御紹介で中屋パン粉工場の 中林 正一 さんと出会ったことで運命が動き出しました
1時間以上パン粉とは油とはを熱く語られ、それを真剣に一言一句見逃さず頭に叩き込み自分一人の修行が始まりました
Pretty porkfactoryの豚肉は 金子渉 さんの天城黒豚を筆頭に尋常じゃなく美味しい豚肉だけを揃えてると自負しております
妥協無く選び抜く
誰の紹介だろうが、美味しいと言われていようが、有名だろうが先ずは焼いた時に私の鼻の前で香りを出せなければ忖度無しに失格です
運良く通ることは皆無で採用までは何度も取り寄せます
見事通過しても1回でも変なのが来たら一発退場させます
厳しいと言われますが自分基準では至極当然なのです
この選び抜かれた豚肉のなかでも全てがとんかつに使用できる豚ではありません
揚げた時に美味しいのは当たり前で旨味が油と相乗効果を出してるかが重要なのです
私の理想の豚肉は水分保有が多くない肉質で
肉汁が出れば美味しいと勘違いしてる人が大勢いますが必ずしもそうではありません
旨味があり味が濃い豚肉はそこまで肉汁は出ないと思っています
もちろん品種が違うのであれば肉質も違いますね
変に水分の多い豚は塩を前日からあて余計な水分を抜くのですがそれでも多い豚は揚げるのにも一苦労します
綺麗に揚がったと思っても、切った断面から水分が溢れるので衣はぐちゃぐちゃになります
この頃流行りのとんかつは上に断面を向けていますが、それは衣が剥がれやすくならないための予防策ではないでしょうか
良くフードなんとかって言うとんかつフリークを生業にしてる人がもう少し休ませて油を切ると衣がカラッと仕上がるのにと言ってるのを良く見ますがあんなのは真っ赤な嘘です
こういう肉を使って揚げたことがないからわからないんだなと思います
本当にカラッとさせるには先ずパン粉が細かいこと高温で長く揚げること
要するに豚肉の水分をほとんど無くす勢いで揚げないと衣の下側は濡れていきます
だから水分の多い豚肉は尚更扱いにくいので揚げ物には使いたくない品種です
毎日大袈裟ではなく500gから1kgのとんかつを揚げ続け試食した日々は私が料理にちゃんと向き合うきっかけになりました
昼御飯を食べてからの試食をわざとやりました
満腹での試食はきついですが満腹でも美味しく食べれなければその辺の物と同じと言うことだと思っていたからです
揚げるだけなら菊井の方が経歴は長いです
でもそれだけじゃ美味しいとんかつを揚げるのは難しいと思います
新宿のKATSUプリポーはもちろん美味しいと思います
相当鍛えましたし私の理論を余計な知識を持ってる経験者に刷り込むにはやって見せるしかないので難しい事ですね
菊井との仕事にも別れを告げ、彼にはKATSUプリポー私は秀彬の仕事が始まりました
そこで割愛しますが但馬玄の牛カツを極め、改めてとんかつの難しさを実感し揚げかた切り方包丁の切れ味に着目し始めました
私はKATSUプリポーの一歩先に向かっています
揚げ方を完全に変えてしまいました
手間はかかりますがこちらの方が以前より揚げムラが少なく均等に火が入ります
日々深化しなければこの頃のとんかつブームで新興勢力に追い抜かれてしまいます
まあ私も新興勢力の筆頭みたいなものですが
以前私がSNSにアップした
求む!自信がある豚肉は俺に送ってきてみなと出したら数件送ってきました
その中のひとつが十和田ガーリックポーク
まだまだ伸び代はあるかなとは思います
その可能性にもかけて採用しました
もうひとつは愛媛県から送られてきた豚肉です
これは尋常じゃないくらい味が濃く驚く肉質です
売り方がわからないから値段もこちらに決めてくれと言ってきました
スタッフが値段はこれくらいでどうですかと言ってきたので、これはもっと高くても俺が全部買うと言わしめた豚肉です
こうやって豚肉と接することで揚げ士として向上すると信じています
豚を奥深く理解し追求することでとんかつと言う単純な料理でも極める難しさを知りさらに登りつめれるのでは無いでしょうか
砦の新宿KATSUプリポーは菊井
新しい原宿のKATSUプリポーは私と第三の揚げ士が構えています
是非もう一度KATSUプリポーを盛り上げてください
KATSUプリポーで食べたら他は物足りないと言う声を沢山聞きます
応援宜しくお願い致します
 お店は5階のフードコートの奥のほうに突然レストランがるような感じで、何か不思議な雰囲気です。





お店に入るとお昼時ですが、カウンター席は空いています。


まさに、超穴場の店という感じです。(今はですが)

 まずはメニューを見てみましょう。





冒頭の髙さんの説明のように、まさに、「ご自身がいろいろな豚肉を取り寄せて食べてみておいしいから品揃えしています」――何やら『Trader Joes's』みたいなフレーズですが、そんなメニューですね。



今日は、初めての訪問なので、とんかつ定食、多分髙さんがおすすめであろう「特選とんかつ(ロースカツ)おまかせセット」税込3,300円を注文してみます。


こちらは「サムギョプサル」のメニューです。

 まずは、漬物が到着。こちらを食べてお待ちくださいとのことです。


まずは漬物が到着。






さすが髙さん漬物も凝っていて、綺麗な色合いです。白菜もテクスチャが違います。
それに多分、無化調。電気的な刺激がありません。
うまいです。

 続いては土鍋でご飯(ミルキークイーン)が到着。




ご飯は煮えばなです。


カツも到着しました。


ほんじつのおませの肉はやごろう黒豚でした。
肉質のつまった豚を選んでいるようで、火入れもしっかりされていて、とてもテクスチャがよく脂の甘さと肉のうまさを堪能できます。



個人的には塩が一番ですね。ソースでも負けないうまさがあるけど、塩が一番ですね。
糖度が低い中屋パン粉も肉のうまさを引き立てているのだと思います。
とんかつは量的にはもう少し食べられたかなと印象です。


しじみ汁

最後にキャベツやご飯のおかわりをうながされましたが、ご飯は150gまでの個人的な制約があるので辞退。しかし、お出し(昆布茶?)がきてお茶漬けにというので、超少しだけおかわりしました。





 私というと豚カツ屋のコンサルティングをしていると思われている人が多いようですが、あれは独立当初の話です。現在は健康のため仕事以外で豚カツ店に行くことはあまりありません。
それでもそう思われているのは私の著書「誰も言わなかった飲食店成功!の秘密」(フォレスト出版社)にこんな記述をしたからなのだと思います。
参考引用

私が店長として『新宿さぼてん』の現場に立っているときに、とんかつソースの入った陶器のソースポットをお持ち帰りになってしまうお客様がよくおりました。「店長、お客様がソースをぽっとごとお持ち帰りになりました」。それ以来、お客様の食べ方を観察していたのですが、いきなりソースをすり鉢に入れ、ソースをどぼづけしている様を見いだしました。
お客様は肉を食べていないんだ!ソースを食べているんだ
この気づきでソースの重要性とソースを楽しむために食材の柔らかさが重要という仮説にいたり、柔らかいくせのない肉を使ってソースで食べさせるマーケティングを続けてきました。
その後も、人が感じるおいしさを研究しているのですが、美味しさには満腹中枢を満たすおいしさと既知や経験の積み重ねによるおいしさがあることに至りました。
誰もが評論家になれるこの時代、とかくわかりやすいシズル感が重視されますので、吹き出る肉汁や絶妙な火入れ(○度で○分やピンク色の肉)がうけますね。これも既知と経験ですが。

髙さんは「但馬玄」を使うような人なので、豚カツでも肉のおいしさを第一にする人なのだと実感しました。そんな肉の味わいを求めるお客さんがくると、価格の高さこそあるにせよ、いつぞやの高田馬場のようになるのかもしれません。
次は金子畜産天城黒豚をぜひ食べることにしよう、と。
ご馳走様でした。

PRETTY PORK FACTORY & KATSU プリポー
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目31−21
電話 03-6805-0290


大久保一彦の本


誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 [ 大久保一彦 ]
2002年発売の処女作です。








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Last updated  2024.05.13 16:28:33


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