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カテゴリ:文学文の読解
子供たちに読み聞かせでお話をして、語ってあげる時、
お話(作品)が 誰の目で語られているように書かれているか(これは、視点のことなのですが)、 誰に語らせているか、 など、これらを明確にして読んであげると、 子どもたちは、 お話が良く分かり、 楽しく聞く ことができます。 また、読み手も、読んでいて気持ちがいいものです。 始めに、『ごんぎつね』で、この事を述べてみたいと思います。 この事を書くきっかけになったのは、国語科教育書の次の文章にで出会ったからでした。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 前略「『ごんぎつね』の場合には、一場面から五場面までは、すべて「ごん」の視点で書かれています。 しかし、六場面の「そのとき兵十は、ふと顔をあげました」という文からは、兵十の視点で書かれており、・・・・・・後略 ・・・・・・・・・・・・・ これを読んで、おやっと思いました。 というのは、『ごんぎつね』の冒頭は、次のようになっています。 1 これは、わたしが小さい時に、むらの茂平というおじいさんから聞いたお話です。 昔は、わたしのむらの、中山という所に、小さなお城があって、中山様というおとの様がおられたそうです。 これが、この『ごんぎつね』の冒頭部分です。 ところが、その教育書では、これが、「ごんの視点」で書かれているというのです。そうでしょうか? ぼくは、ここを読み聞かせ・表現よみした時、ごんの視点ではなく、書き手が考えた語り手の視点でしか読めなかったのです。 今でもそうです。 とても、ごんの視点では読めないのでないので、驚いてしまったわけです。ごんの視点で読むということは、どういうことか、まったく、分からないのです。 ここの語り手が、冒頭、村の茂平というお爺さんから聞いたお話を始めるのです。 ごんは、まだ、出てきません。 ですから、読み聞かせ・表現よみでは、村の茂平というお爺さんから聞いたお話を私がするということになるのです。 ごんの視点ではないのです。 このことは、決定的に大切な事です。 わたしになって、語るとしぜんに読めるのです。 とても、ごんの視点では、読めません。 そして、 その語り手が、語っていることが 「ごんは、むらの小川のつつみま出てきました。」という所まで、かなり長く続きます。 ですから、ごんの視点ではないのだと思うのです。 皆様は、どうお読みになりますか? これは、今、問題になっている読解と深く関連することではないでしょうか? そして、このお話は、 次の「辺りのすすきのほには、まだ雨のしずくが光っていました。川は、いつもは水がすくないのですが、・・・・・・・・・・。」に続きます。 ここから、ごんの視点になっていくのですね。 けれど、ここはまだ、語り手とごんの視点が重なっている所です 続きます。 * この観点で表現よみ(朗読)したCDが、下記の表現よみの本に付録として、付いています。 ・・・・・・・・・・・ 人気blogランキングへ たくさんの方にお読みいただきたいので、ランキングに参加しています。よろしかったら、上の2つをクリックしてください。 絵をクリックしますと、本の概略が分かります。そして、楽天での購入の仕方も分かります。 尚、本書は、1~6年まで、各学年あります。
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