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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2005.12.20
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<リード>
これから急速に迎える少子高齢化の時代。2014年には四人に一人が高齢者、すなわち、65歳以上になる。この、急速に拡大する顧客は、今後のゴルフ場内のレストラン経営にとって重要なポイントとなることは間違いない。今後メニュー、料理、運営など、レストランはどのような取り組みをすべきか?今回は、高齢者向けのメニュー作りについてお話したい。


<本文>
 あなたは、高齢者に対して提供するメニューはどのようなものが良いと思いますか?
脂肪分を抑えたカロリーの少ないメニュー、肉などのボリューム感のあるものでなく、軽めのメニュー・・これらの答えはある意味正しくもあり、正しくなくもあります。
なぜなら、食はその人の習慣であり、個人の生活環境に大きく依存するからです。
おもしろい話をしましょう。今から十年くらい前、私が、某大手のとんかつチェーンで、スーパーバイザーや企画などをやっていた時代、自分の店についていろいろな見地でリサーチし、現状分析をしました。あくまでも当時の話ですが、東京都23区内の下町にあるとある独立した路面店の調査の結果では、とんかつの惣菜や弁当を購入される70%以上が60歳以上の方でした。当時、同僚とこの奇妙な結果について、議論しました。私たちのコアな顧客は、仕事や育児で忙しい20歳代後半から30歳代と仮説を立てていたからです。いくら下町で高齢化した街とはいえ、この結果は解せなかったわけです。この議論についての答えが導き出せたわけではありませんが、いくつかの理由を考えましました。「家庭に孫が待っているから」、「家で、高齢者がいるので揚げ物の献立が少ない」、「戦後、肉が無かったので、とんかつにはごちそう感がある」、「単に弁当を売っている店が少ない」などす。答えはなぞですが、重要なことであることを認識していました。
 その後、ファミリーレストランをお手伝いしていて、こんな出来事がありました。子供は寿司を注文する中、お年寄りがヒレかつ定食を食べていたのです。ここから、その中から仮説を立てました。「おそらく、このファミリーレストランを利用する元気なお年寄りは、外食にごちそう感を求めて来ていて、普段家で食べないごちそう感のある揚げ物を食べるのではないか」という仮説を立てました。今のお年寄りは元気です。ですので、時たま、ステーキやとんかつ、焼肉などのボリューム感のある食事もします。
しかし、だからと言ってこれからもそうだとは言えないかもしれません。
なぜなら、外食はもはや御馳走ではなく、日常のものとなったからです。
人間は「年をとるに従って子供の頃に食べた食事に回帰していく」と言われていることをご存知ですか?昭和40年よりも前に生まれた人間は、子供のころ食べたのは肉中心ではなく、野菜や魚中心でした。ですので、日常の食におきましては、野菜や魚を中心とした食を求めるようになります。日常化した外食において、最初の高齢化の波にまでに、さりげないランチなどを売る場合は、このとこを配慮した対応を考えないといけないのです。
実際、この年をとると子供の頃の食事に回帰するという事実を考慮すると、大きく分けてふたつのタイプの対応に分けることができます。
まず、日常性の高い、プレイフィーの安いゴルフ場の場合は、高齢者の比率が高い場合、野菜や魚を多く使ったメニューを組み込まなければなりません。しかし、アラカルト充実ですと、高齢者になるとおうちゃくになりますので、ランチメニューなどでアイテムを絞ることをおすすめします。逆に、巷で流行っている野菜などバイキングは、高齢者にとっては面倒なためにあまり向かない場合も多いかもしれません。地方で、商品の量で売ることが受ける場所以外ではおすすめしません。
もうひとつの対応がプレステージ性の高い名門のゴルフ場の場合です。こちらの場合はごちそう感のある食事の提供が良いでしょう。以前からお話をしていますように、ストーリーを作り、よりごちそう感のあるものにしていただいた方が良いでしょう。
さて、昭和40年以降生まれの子供のころ肉中心の食事で育った団塊ジュニアが高齢化した場合は、食環境が大きく変わります。肉は、日常のものとして育っていますので、肉に対するごちそう感での食事は難しくなります。ものあまりの時代に育った子供はものでは感動しません、その店のストーリー性がより大切なものとなるのです。
少子高齢化の時代の対応を長期的に見ると、やはり名物商品や四番バッター商品を作ることになります。
 さて、ここまでは健常者へのメニューの話です。高齢者への対応と言うと、実は、なんらかの病気を患っている人への対応が大切になるのです。2017年までに高齢者になる人たちは、野菜と魚中心の食事をしてきた人は、非常に成人病を発病しにくい環境下で暮らしてきました。しかし、その後で、高齢者となっていく人たちは、ほとんどが、生活習慣病を患うことが予想されるからです。
われわれ食ビジネスはお客様の体をぶっこわすことで、繁盛してきたことを否めません。日本のレストランは原価志向、管理志向、価格志向が強かったために野菜などを必要最低限に留め、無駄な食材をあまり付けませんでした。欧米では、ファーストフードででもなければ、結構サラダや付け合せなど野菜がついてきます。しかし、日本の食ビジネスは悪魔に魂を売り、タレを飲ませ、ドレシングを飲ませ、脂肪を忍ばせ、糖と脂肪の塊を食べさせ、逆に無駄な野菜を省き、お客様をフォアグラ状態にしました。その付けを、われわれは、天罰的面受ける時代が来るのです!
生活習慣病を患った人への対応は食品に関する知識が重要になるでしょう。すくなくとも、売り手の勝手な会社で利用されているうすぺっらい栄養学では、対応がつかなくなるでしょう。現在の病院給食が提供している状況に近い状況が目の前に訪れるからなのです。
 では、どうすべきなのか?お客様が健康になれる食事の提供が急務になります。なぜならば、我々の手にしている食品は製造や加工の技術が高度になり、食品に使用されている食品添加物が複雑化かつ多様化の傾向にあるからです。私たちは食品とともに食品添加物を毎日無意識のうちに摂取し続けており、種々の食品添加物を複合的に摂取していることになるのです。例えば、厚生省管轄の調査所が実施した平成15年度漬物などに使われていますソルビン酸(保存料)の分析では、ソルビン酸の摂取量は1日あたり13.55g(出所札幌市衛生研究所のホームページ)にもなるのです。確かに摂取量は減っていますが、なんと年間、4.945キロにも上るのです。市場に出回っていて我々が何気なく使っている明太子、漬物、ハム・ソーセージは食品添加物が実に20種類くらいも入っているのです。
あなたが、何気なく使っている食材に原価以外の注意を注ぎ、お客様の健康を節に祈って行動してください。それが、少子高齢化するレストランの大切な対応なのです。営利を目的とする食品メーカーの一方的かつ断片的な主張に懐疑的な目を持つことが大切なのです!科学的知識に裏づけされた知識を持ち、良識ある生産者を支え、あなたのレストランへお客様を引き込んでください。普通にしていて、肉を食べて育った世代はゴルフができなくなり、病院給食のような食を提供しなくてならなくなりますよ。もう、少子高齢化のゴルフ場レストラン不要時代はすぐそこに来ていますので、長期的な取り組みをしてください。

夢ー商通信 大久保一彦





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Last updated  2005.12.22 09:19:57
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