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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2006.01.21
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大久保一彦の過去の連載記事から

<リード>
おいしさにはふたつある。以前もお話したように、体で感じるおいしさと、心で感じるおいしさのふたつである。前者は、調味料による満腹感への刺激であり、後者は、過ぎ行く時間を楽しむことであった。この選択で店の繁盛は変わると言っていいだろう。この選択で客層や利用シーンが変わってしまうからだ。このずれのせいで、繁盛していない店は多い。今回はドボ漬けメニューを考えて、どんな価格を付けたらよいのか、ドボ漬けメニューの価格決定法についてお話したい。


<本文>
 東京で仕事をして忙しい生活を送るもの、肉体労働に従事するもの、ストレスが溜まる環境下にいるもの、これらの人が共通して求めるもの、それは、塩分による刺激であります。これらの人は、一見、それぞれの食材を食べているように見えましても、実際は、タレの刺激によるや満腹感のことを“おいしさ”と感じているのです。
以前もお話しましたが、これは「おいしさはふたつある」のくだりであります。その救世主となりますのが、ドボ漬けとぶっかけです。これらふたつの手法の目的は簡単でして、お客様にタレやソース、ドレッシングなどを飲んでいただき、血中での極端な濃度の変化で、満腹感への刺激を行うためなのです。それに付随して、サクサクな食感、カリカリの食感など、食感にメリハリを出すのが外食業界の流行となっています。あわせて、辛い味にして、濃い塩分を摂取させているのが外食のトレンドですね。
 本来、ドボ漬けの商品というのは、お客様に過剰な塩分や糖分を摂取させて、摂取後に起こる血中への急激な塩分や糖分の吸収による刺激を記憶させるのが目的なのです。もし、楽しかったとかおいしかったとかという快楽とこの調味料の刺激が結びちきましたら、それは強烈な関係になります。例えば、ゴルフ場のレストランでしたら、そのレストランを見るたびに知らず知らずのうちにこの記憶を思い出してしまうのです。結果、自然にレストランに足が向かうことになるのです。ハンバーガーの大手チェーンがなぜ、子供相手にするのか?そして、店に遊園地を作るのか?それは、子供のときに感じた楽しい思い出を、大人になってから知らず知らずのうちに思い出すからなのです。

 さて、これらのドボ漬けメニューを考えたらどのように価格を付けるのか?それが、今日の本題であります。
ハンバーガー・チェーンのように日常生活に密着した食べ物扱う場合は、低価格に価格付けをします。ハンバーガー・チェーンといっても、ドボ漬けの主体は、チーズ、ポテト、コーラですが・・低価格にすることで、なるべく購入の障壁を減らし、ドボ漬けを日常生活の中にはめ込むのが目的だからです。
 ドボ漬けの価格の付け方は、極端にふたつにわかれます。ひとつは、高めの価格付けです。
ドボ漬けメニューを名物メニュー化して、カレーならカレーの市場価格に対して、1.4倍以上の価格を付ける。これが、ひとつめのやり方であります。
例えば、普通のニーズに応えている市場価格が800円なら、1.4倍の1120円以上、例えば、1200円をつけるわけです。場合によっては、コースのような形で提供し、1800円くらいで提供することも可能です。
高い価格をつけることにより、その商品が優れているという印象を与えます。極端に高い価格はおいしさなどを暗示するのです。
ただし、高い価格になればなるほど、お客様の厳しい目にさらされるために、その価格イメージを上回る伝説作りが大切となってきます。つまり、ブランド力がものを言うわけです。ブランディングのテクニックなしに、高価格をつけることはありえません。
ですので、この価格の付け方はブランドマネージメントを得意とする専門家のアドバスなしにはしないほうが良いでしょう。素人がこの方法でやった場合、9割が破滅への道を突き進みます。それだけに、ブランディングに長けた人間は、ドボ漬けとこの高いか格付けを併用して一人勝ちをするのです。

後編はこちら

ゴルフダイジェスト社連載より





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Last updated  2006.01.26 19:34:49


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