カテゴリ:経営者のための連続コラム
前述のとおり、私は内部を整理することに努め、良い物件情報を獲得できることをひたすら待っていたわけですが、そのタイミングは思ったよりも早くやってきました。
新宿さぼてんは、当時スーパーマーケットでの出店は独壇場の力を持っていましたが、あるとき大手量販店からのテナント出店の依頼を「この店舗は売れない」と判断し、出店を断ったようです。 今振り返ると、当時の新宿さぼてんには、もっと魅力ある案件があったのでしょう。 また人員の面でもそこに人材をあてる余裕など無かったのかもしれません。 いずれにしろ、その案件は新宿さぼてんのライバル会社である私のクライアントにまわってきて、担当者から私に与えられました。 私は、「これは絶好の機会」と、クライアントの社長に直談判しました。 そして、説得をして出店に結びつけました。 今考えると、この量販店へのテナント出店については「絶対うまくいく」という自信などあったわけではありませんが、うまくいかないとも思いませんでした。 新宿さぼてんに在籍していたころから、店舗を出店したスーパーマーケットの坪効率など諸条件と売上げとの因果関係についてまとめていましたが、それに基づく売上予測がある程度の精度でできるようになっていたことも後押ししました。 私が作り出した売上予測によると、新宿さぼてんが断った物件は月商450万円をはじき出していました。 さらに、そのときの私をもっとも後押ししたのは、中食業界トップの新宿さぼてんが断ったという隙間をつくのがとてもいいタイミングで、コンサルタントとしての私の前途が開けているように思われたことが大きかったように思います。 クライアントの店の出店が決まり、私は背水の陣で臨みました。私はその店が成功するために考えられることを寝る間も惜しんで行いしました。 その結果この量販店への出店は、量販店の担当者が月商300万円売れれば御の字といっていたところを、月商500万円にあとわずかのレベルまで売上げました。 この私がつくった売上実績は、当時の量販店の担当者はじめ、その上司の部長までも唸らせ、「大久保に任せておけば大丈夫」と信頼を獲得しました。 同じようなことが重なりました。 他の電鉄系の駅併設の量販店のテナント店舗を大成功させました。 このような実績は、次々と新しい案件につながって行きました。私のクライアントに案件が発生すると、まず私に案件を紹介してくれるようになっていきました。中食業界におけるテナント出店動向の風向きが変わりはじめていました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.06 20:55:38
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