テーマ:グルメな仕事(992)
カテゴリ:経営者のための連続コラム
演出の力を借りれば、「牛角」という世の中でありふれた脚本であったしても、おもしろくすることができます。
結果、お客さんに支持され、繁盛することだってできます。 「すかいらーく」という脚本でも繁盛することは可能です。 実際にブームが終わったチェーンでも確実に売上という結果を出している店はありますからね。 そんな脚本でもお客さんを魅了している店があるのでも事実です。 そして、衰退しているといわれている業種にもかかわらず、繁盛している店だってあります。 東京の下町、森下に大衆酒場の「山利喜」という店があります。 昔ながらの居酒屋です。最近は大衆酒場や立ち飲みがブームとなっていますが、居酒屋チェーンが市場拡大したここ三〇年でこの手の店はかなり数を減らしてしまいました。 しかし、「山利喜」はむかしながらの「大衆居酒屋」を掲げ、未だに多くのお客さんで賑わっています。いや賑わっているどころか、列を成して順番をまっているほどです。 店に入ると、一見すると、一階はカウンター、二階は畳の部屋で、昔ならよくあった「大衆酒場」です。しかし、客層を眺めると女性客も多く、「大衆酒場」の雰囲気には見えません。レトロなダイニングというふうにも感じられます。 その理由はメニューを見て、そして提供される商品を見ればわかります。 「大衆酒場」は、元来、ブルーカラーやサラリーマンの呑み助のための店でした。 二級酒を売り、名物のモツ煮やおでんやホルモンや串ものなどの商品を扱い、仕事帰りの来店のきっかけを作り、そんなに懐が痛まない語らいの場を提供し、明日の活力をお客さんに与えていました。 しかし、バブルの時代まで、駅前にあったこれらの店は次々と、廃業して行きました。 自ら望んだもの、そうでないもの、いろいろあるかと思いますが、飲食業という商売は泥くさいものです。それが衰退の大きな要因でしょう。豊富なメニューで安売りを志向し、何よりも、大型店で客席にヴァリエーションある便利な居酒屋チェーンの台頭で、次々となくってきます。残念ながら、東京ではそうした節目で「大衆酒場」は次々と消えていきました。 大久保一彦の本 ![]() 【送料無料】小さな飲食店が成功するための30の教え お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.10.31 19:03:00
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