テーマ:グルメな仕事(992)
カテゴリ:食を考える
有機肥料の偽装が話題になっていますね。
今、まさに偽装ブーム。偽装するというのは、そして偽装されたものを使ってしまった。 まあ、使ってしまった人は気の毒だとは思いますが、でも、なぜ、そうなったのかを考える必要があります。 菊姫酒造を見学に行った時に、菊姫の精米所について私は当時の社長の柳翁に聞きました。 「なんで都内の中堅くらいの規模の米屋と同じくらいの精米所をほとんど稼働しないのに、持つ必要があるのか?」 「だって精米しちゃったら何を混ぜたかわからないだろ」 販売する商品の責任はだれにあるのか? 実は販売者です。 だからこそ、自分の目で関わる産地や仕入れ先を訪れ、自分で確かめ、そして、疑問に思うことを確認しないといけません。その繰り返しで、お互いに信頼感を構築して、お互いの繁栄のために商いをすべきです。 その構造に甘えが出ていると思うのです。 そこで、質問です。消費者はなぜ、有機野菜を買うのでしょう? 「安心そうだから」でしょう。 売り手、POPから説明を受け手「安心そうだらか買う」のです。 決して「安全が確認できたから買う」のではありません。 現状、国の認定はほとんど最初と形式的な検査です。 そのような環境で、消費者が販売店、販売店がその仕入れ先とお互いに信じあった結果、じつはだれも自分の目で確かめていないプロセスが入っているということが少なくないのです。 そもそも、なぜ、有機肥料を使うのか。 今、ヨーロッパでは、肥沃な土地をグランシェフが購入するようになっています。 肥沃であれば、ちゃんと休ませながら農業をすれば、そのようなある意味どういうプロセスを経た肥料は必要ないからです。 それに堆肥化した動物の糞では土地に窒素やリンを蓄積させ、安全な食品を提供できると言えません。 ヨーロッパでは、法蓮草を粉末に凝集して離乳食に入れたところ、体積した硝酸様窒素によりブルーベビー症候群になったことがあります。 ヨーロッパでは友人フランソワ・クープランの貢献で、野菜ではなく、野草になっています。 よくタンパク質がないから野菜のみでは栄養欠乏のリスクがあると言いますが、あくまでも野菜の話。 それは野菜という商売にのせる過程で、肥大化させ品種改良する過程で多くの有用な栄養成分を犠牲にしたからです。 野草には、栄養学で表現されていない栄養分があります。 あの象やキリンや牛のように草だけで大きくなれるのです。 そして、長年の耕作放棄地を含め人間の手が入ってない土地であればあるほど、本当の堆肥は積もっています。 ただ、F1種の野菜を育てるのに向かないだけなのです。 その野草は、九州や四国などの原野にあります。 そして、そのような山間地には、野草と毒草を見分ける人がいると思います。 その資源を活用してを、高級レストランに供給して、そして、最終的には日本にもともとあった摘み草料理に発展させていきます。そのコンサルティングを私はしていこうと思います。 早い者勝ちでいくつかの町が限界だと思いますが、地方再生(村おこし)の一手とお考えの自治体のかた、ぜひご用命ください。 大久保一彦のプロフィール 2006年に、コンクの一つ星レストランエルベ・ブッセの紹介で偉大なる植物学者フランソワ・クープランと知り合う。 2008年のフランソワ・クープラン来日時に日本の野草見学のコーディネートを行う。 その見学やフランソワとのディスカッションを通して、野草が食資源としてとても有用であり、貧困、食糧難の解決策になることを認知。以降、フランソワ・クープランの紹介を受け、野草を活用するフランスやアメリカのレストランを多数視察開始して、スキームを学ぶ。 2011年より 高級レストラン向けにミシュランなどを見据えて評価アップのプログラムを開始。 クライアントの多くが星付きレストランに格付けされる。 2014年、プロバンスで開催された一週間の日本人向けの第一回ワークショップに参加。 2014年、日本でのワークショップにも参加。 2015年、摘み草料理の『なかひがし』での定期勉強を開始。 2015年、フランソワ・クープランが京都南山城村に土地購入を機に、レストランに野草提案を開始。 2015年、料理人を巻き込んで、唯一無二のプロジェクトをスタート コンサルティングには地方再生の資金をご活用ください。 もちろん、山村の農家さんの個人での依頼も可能です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.11.09 07:26:35
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