カテゴリ:大久保一彦のひとこと情報
大暑の連続講座 商圏クロスオーバー戦略 その3
~会報『四方よし通信』2016年1月号より 1 商圏クロスオーバー戦略 1-2 足元商圏の店がクロスオーバーするには 飲食店の開業セミナーをやっていたり、あるいは、外食サポート企業の社員研修をやったりしておりますと、「お客さん(見込み客)をどう探せばいいのですか?」という質問をよくいただきます。 店を構えますと、お客様がやってくる範囲が店舗の取扱商品や店舗レベルに応じて決まりますが、このお客様がやってくる範囲のことを商圏と言います。 たとえば、徒歩5分圏、クルマで10分圏ぐらいの足元商圏にものすごい人口がいれば、あまり遠くから来ていただかなくても、そのエリアで十分成り立たせることが出来ます。 この場合、店で取り扱うアイテムさえ突飛なものでなければ、この狭い範囲で十分成り立てて行くことは出来るわけです。 一方、足元商圏の消費は利用頻度や継続性が高いのはいいことですが、予算がシビアな面があります。逆に、より移動した消費には移動のコストに見合う対価を支払う傾向があり、足元商圏で完結してしまうのは商品や店舗レベルによっては、ある意味でもったいない場面もあります。 そこで商圏をクロスオーバーさせ、もっと遠くからお客様がやってくるようにしたり、通販や催事でお捻りをいただいたりすることで店や会社の生産性を上げ、生産年齢人口激減に効果的なスタッフの実質賃金を倍増させることを実現するのです。 名古屋駅の前に2015年6月1日にオープンしました『じろうや介』という素晴らしい焼肉屋を例に見てみましょう。名古屋駅のような巨大ターミナルの駅前であるならば、足元にあるオフィス街からの集客だけではなく、名古屋駅にわざわざ来ている人というのはいっぱいいるわけですから、その名古屋駅に来た人に利用してもらうような取組みをすれば、商圏のクロスオーバーが可能です。 商圏クロスオーバーをするために必要なものが“飛び道具”です。飛び道具とは、情報となりうるアイデンティティが明確になるものです。その構築には、まず多くの見込み客が狙える取扱いアイテムが重要です。焼肉はその条件を満たしていると言えるでしょう。 続いて、心に響くコンセプトとそのコンセプトの適切な表現(具現化)が必要です。 人口増加という、成長時代の闇が未だに残存している時代ですので、現在、心に響きやすいのが、前回、御紹介しました“ファーム・トゥ・テーブル”でしょう。 ただし、価値観が「安心感から安全へ」と移行しています。 今後は、ローカル性、地球資源を浪費しない(持続可能性)、安全というキーワードに重きを置くことになるでしょう。ローカル性は、地域での食材の循環を通して、賃金・消費を連動させてお金を循環させる取り組みが重要です。 そして、資源を無駄にしない、無(お金を使わない)から有(お金を生み出す)という概念を組み込む、野草の活用が画期的な解決法を生み出すことになるでしょう。 では、ゆっくり掘り下げていきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.07.26 17:21:04
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