カテゴリ:経営者のための連続コラム
雨水の連続講座 “伸びしろ”を伸ばす店舗経営のための チームビルディング
2 新人に教えることで学ぶ 2-2 「一人前」の見える化をする 新人に、なんでもかんでも教えようとするのは、到底無理な話というものです。 よく即戦力の人財を求める店長が多いのですが、仮にいたとしても、そのような器用な人財は職場を転々とする傾向が高いので、結局は自分自身が振り回されるだけです。 自分自身で、その人、その人の、能力に合うスピードで育てあげなくてはなりません。 人財を育成していく上で大切なのが、「一人前」の見える化です。 どれくらいの勤務経験をするとどれくらいのことができるということを明確にすることによって、新人スタッフの教育研修のイメージをつかむことができます。 また、新人スタッフも将来を見通すことができ、自身の“伸びしろ”を確認しながら、仕事をすることができます。 まずは、サービスの暗黙知を見える化します。 もちろん、スタッフ自身の手で行います。 そこで、また「研修」と称して、スタッフを招集します。 新人が入社してまず教えることから、1週間の間に教えることをみんなでリストアップします。そして、どの業務をいつ教えるのがいいのかを、みんなで討論します。 続いて、1ヶ月までの間に教えること、3か月まで、半年までと考察し、それぞれまでの教えるべきことを見える化します。 これが「一人前」の見える化です。 例えば、何と何と何ができれば、3か月目の「一人前」、何と何と何ができれば、半年目の「一人前」という風に、「一人前」というのを、具体的に整理しなくてはダメです。 そして、見える化したものをタイムテーブルに落とし込んでいきます。 どれぐらいになったら、どれぐらいの仕事を任せるかは、若い社員は事前に頭の中で整理されていることは非常に稀です。 この教えるプロセスの見える化で、空き時間に思いつきでやっていたトレーニングが計画的なものになるでしょう。 さらに、トレーニングのムラが無くなり、関わる全ての人財のレベルが一律的に日々良くなってきます。 そして、教える側や、全体をまとめる店長は計画を立て、時間を作るというマネジメント技術を身に着けていきます。 マネジメントいうのは基本的に、人に任せていくことです。 したがって、任せるタイミングが見える化されていないと、いつになっても任せられないでしょう。 なぜで任せられないかというと、教える側が個人的な価値観で見た場合、できない人に仕事を任せることが納得できないからということが多いです。また、このような場合、任せるタイミングも見える化していないでしょう。 しかし、任せることができないと、個人の“伸びしろ”を一向に伸ばすことができない上に、人が育たないのでチーム作りはいつまでたってもできません。 多くの場合は、良い人が来ないのではなく、良い人に育てるノウハウを持ち合わせていない場合が多いのです。 ~『四方よし通信』2014年10月号より 大久保一彦の本 ![]() 【中古】 いつも予約でいっぱいの「評価の高い飲食店」は何をしているのか/大久保一彦(著者) 【中古】afb お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2023.02.24 20:56:31
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