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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2023.08.01
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ローカルで成功するためのヒント その8
7 白トリュフ(高級食材)をどう使う

梅:少し前に、クロアチアの方まで行ったのですが、クロアチアで取れているトリュフなんかをイタリアの方に持って行って、イタリアから世界に出しているんですね。クロアチアの人たちも、「これは、イタリアに行くんだ」とすこぶる自慢していました。
大:今、白トリュフがドンドン上がっているではないですか。梅原さんも使われているのですが、あれはどうしているのかなといつも思うのですが、特殊なルートでもあるのですか。
梅:いや、全然特殊ではなくて、うちは、先週、先々週ぐらいから一発目が入ってきて、今、取っているのですが、やはり高いですね。
大:世界もそうでしょうが、日本でも景気が良くなればなるほど、高騰化しますよね。引く手あまたになってしまいますから。
梅:今、これぐらいの塊で3万円ぐらいですね。
大:やはり、それぐらいしますか。
梅:安い時期に扱うのですが、12月に入って高くなったら、あんまり使わないですね。
大:ですよね。そのような高級食材も絡んで、お客さんの水準が上がってきているという感じですか。
梅:そうですね。今まで、トリュフを召し上がったことがなかったという人が、うちに来て食べて、それから、毎年、トリュフの時期になると、というより、毎年ここでトリュフを食べるという人もいますしね。お客さんには、段々とイタリアの食材とか、今まで、こちらでなかったような食材なんかを召し上がってもらえると思っています。
大:やはり、地方のレストランはお客さんと密になりやすいから、長く続いている良さというのはありますよね。
梅:そうです。
大:最初は、あまり焦ってやってしまうと、苦労しがちですよね。
梅:そうなんです。やりすぎもよくないのです。私もやってみてわかったのですが、こっちが寝ないで考えに考えて作った料理とか、突拍子もない料理とかをやりすぎてしまったり、それを押しつけてしまったりするとうまくいかないですね。「田舎」と言ってしまうと語弊がありますが、田舎では高級で美味しい、そういう雰囲気で食べさせちゃうと、もうダメなんです。
大:中身が伴っていないとダメなんですね。
梅:引いちゃうところがあります。東京の時は、デートで使ってくれる人が多かったり、接待など、雰囲気重視でお客様を迎えたりしますが、後は、『カルミネ』さんは有名店だったので、一見さんで回っちゃうのですよ。
大:ああ。
梅:常連さんは本当に1割もいないような感じで、田舎の場合はもう、地域密着なので、ほとんど常連さんで回していくしかないので、観光の方がメインとなりますと、売上げも見込めないですし、やはり地元の方です。だから、僕はやってみて思うのですが、都内でやるよりも、田舎の方がシビアです。
大:シビアですよね。
梅:気を使いますし。
大:ただ、逆に言うと、都内の人ほど、色んな店に行かないから、お客さんとして、ある程度ちゃんと掴めれば手堅くずっとやっていけて、ちゃんと掴めないとどんどん難しくなっていくということなんです。
梅:お店も少ないですが、外食人口も少ないですし、接待とかに使うとか、そういうシーンも少ないです。競争相手はあまりいないですが、一回来たお客さんを絶対に満足させて帰すということをしないといけません。
大:100%の満足ですよね。そうなると、ランチがカギになるということですか。
梅:そうです。地方でも、ランチをやらないで、夕方くらいに開けて、夜12時ぐらいまでというレストランというのもあるんですが、僕がやってみて思うのは、やっぱりランチで皆さんに来ていただいて、それで「この店、雰囲気が良かったから、夜の送別会はそこでやろうよ」とか、そういった方もかなりいらっしゃいます。一回、ランチで下見して夜に繋がってるという、そういうパターンが結構多いので、ランチの営業というのはすごく大事ですね。
大:私は京都の料亭さんとかとお付き合いがあるのですが、京都の人というのは、お店のスタンスとして、「まずランチで来て下さい」と。そして、「そのランチも、松竹梅があったら、一番安いのを食べて下さい。そして、気に入ったら、もう一つランクが上のものを食べて下さい。気に入ったら、最後は、夜に来て下さい」と。「いきなり夜で高いコースを頼む人というのはあまりウェルカムではない」という話をする人がいますね。
梅:それはすごくわかります、本当に。
大:段を踏んでお客様作りをしないと、ちょっと限られたパイだから、そういう地方流レストランというのでは必須なんですね。
梅:わかります。まず、このお店をやった時に、気取っていると思われたら、もうダメなんですね。こういうお店は。居酒屋とかだったらいいですが、「イタリア料理」とか、「コース」とか「ワイン」とかは、ご近所のおじさん、おばさんたちは、「何を気取ってんじゃねーよ」なんて言ってきたりするんですが、「そんなことないですよ」と、なるべく気さくに気さくに、カッコつけるよりも面白い方がいいですね。
大:気取ってないように見せるために、メニューの見せ方とか、何かあるのですか。
梅:どうですかね。そこはもう接客とか挨拶とか、そういった地道なところですね。
大:シェフがお客さんのところに直接挨拶に行ったりとか、声を聞きに行ったりとかは大切ですよね。
梅:そうですね。
大:お客様との距離を縮め、長くつきあっていただく信頼関係を築くことが大切ですよね。お客様の個に対応して、喜んでいただくことの大切さ、とても勉強になりました。今回は、本当にありがとうございました。


2016年12月会報四方よし通信より


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飲食店「儲かるメニュー」の作り方 大久保 一彦【中古】





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Last updated  2023.08.17 21:30:44


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