カテゴリ:経営者のための連続コラム
CH1 あなたが値引き走るのは価格戦略を知らないからだ その2
~日経レストラン2014年4月号 価格のつけかた さて、講義に入る前に、皆さんに質問をしましょう。 あなたは誰よりも高い価格の料理や商品を提供することができますか? ※他の業界のかたはご自身が扱っていらっしゃる商品、例えば日本酒やワインなどに差し替えて考えてみてください。 この質問を私の勉強会に入塾したばかりの飲食店経営者たちすると必ず同じ質問が返ってきます。 「先生、私はそもそも料理技術がないのでそんなに高い商品は売れません」 しかし、私のところで長らく勉強している弟子のタルイタケシくんなら、その弟子にこう答えるでしょう。 「高く売るためにすばらしい調理技術はあったらそれはそれでいいですが、それは絶対必要じゃありません。 価格を決定する要素に食材や空間などいろいろな要素がありますし、そもそも競合状況で価格に対する主導権が変わってしまいます」 多くの人は、価格を自分自身で主体的に決めているように思っているでしょう。 しかし、実際はそのような場合は少なく、ニーズの状況や競合などが複雑に絡み合い決定されています。 ニーズがあるものには二つの特徴があります。競合他社が必ずいることと常識的な価格があることです。したがって価格は、自分自身で勝手に決めることなどほとんどなく、競合との折り合いをつけながら価格が決められます。 その場合、マーケティング調査に基づいて戦略的に価格を決める攻めの経営の場合と、想定原価率をもとに価格を決める場合があります。 前者はマーケットの総取りを狙う場合で、後者は外食産業にありがちな路線と言えます。 多くの店の価格は、原価率で考えることが多いでしょう。 そのため、なんらかの形で食材の高騰がおこれば、市場環境と関係なく値上げしたいという願望がおこります。 しかし、市場の求める価格は食材の値上がりとは関係ありません。 むしろ、値下げを期待するかもしれません。 もちろん、価格戦略を理解していれば、自分が主体となって高い価格をつけることもできます。 そのために、まず、競合がないこと、あるいは、他とは違う明確な違いがあることのどちらかの条件を見出します。 前者は潜在的なニーズを見つけ出し、競合がない市場ステージにある場合もあるでしょう。 このようなステージでは需要に対して供給があまりにも少ないために自由に価格がつけられるのです。 また、他との違いがあればその点を考慮して意識的に高い価格をつけることもあるでしょう。 基本的に言えることは見込み客にとって原価は関係がないことです。 そして、火急的なニーズを見出せば、ニーズを満たすことが優先され、価格は予算の範囲であればよくなり、高い価格をつけることができます。 続く 大久保一彦の本 【中古】 ダントツ飲食店の繁盛ノート 売れるお店の採用教育・シフト編成・会話術 / 大久保 一彦, 加藤 雅彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.01.14 17:11:29
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