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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2024.01.15
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冬の連続講座 値付けのポイント その21
価格ラインの価格差に応じた価値の見える化 その3

~日経レストラン 連載コラム2014年10月分より

前回よりの都筑
 続いて、基軸となる価格ラインのコースの内容を決めます。
このコースはスタンダードコースとします。
例えば、さきほどの日本料理店なら、7000円のコースのお造りを、養殖などで周年安定して流通している鮃と本鮪の赤身、中トロと入れ、食べログのレビュアの評判を左右する茶碗蒸しを例えば雲丹にして、地元〇〇の野菜と海老の天ぷらとすれば、「7000円でこんな感じのものが食べられるんだ、コストパフォーマンスが良さそう」と基軸のコースの評価得ることができるでしょう。
 続いては、この7000円のコースとの違いを作り、価格差の見える化をします。
その前に頭に入れ欲しいことがあります。「品数が増えます」的な発想であまり深く考えずコースを組み立てている店を散見しますが、これはあまりよろしくないことです。例えば、若者が多ければ料理のボリュームが多いほうがよい、質より量の満足度を求める傾向が強く、年配の人はそんなに食べられないため量より質を求めるため、量が多そうに見えると二の足を踏むからです。
 価格差の見える化を行う場合、電話予約のお客様の質問を頭に入れるといいです。それが、「7千円と8千円、1万円のコースはどう違うんです?」という問いです。この時に有効なのが、三回目のコラムでご紹介した“グルメ食材”の料理への活用です。“グルメ食材”をうまく使ったプラス一品の差を作りましょう。熱海の名店『古屋旅館』では前菜に世界三大珍味のフォアグラ、キャビア、トリュフを使うようにしており評判です。
見える化された差の説明を聞いて、「それだったら、8千円がいいね」と即答が返ってくる差をつくるのです。

 最後に、この違い作りがどれだけ重要かを、お手伝いをした新宿にある高級中国料理店の例を見ながら説明しましょう。
このお店ではコース料理では8千円、1万円、1万2千円にしていました。
このお店、実は銀座にも店がありました。現場では「新宿は銀座と違って8千円のコース料理しか出ない」と結論付けていました。そこで、私は銀座にある店の系列店の店長にどんなおすすめの仕方をしているかヒアリングをかけました。すると、8千円のコースを売る気がないトークをしていることに気が付きました。このコースがあったからこそ、1万2千円のコースが売れていたのです。
そこで、新宿店のコースを見直し、「8千円はスタンダードな北京ダックのコースです。あと二千円出すと鱶鰭のスープがつき、さらに二千円出すと鮑料理が出ます」と“しかけ”に改めました。すると、「鱶鰭はつけて」「鮑もいるね」のようにほとんどのお客様が1万円あるは1万2千円のコースをチョイスしていただけるようになりました。このプロセスが価格差に応じた価値の見える化です。
 基軸となる価格を真ん中や上に設定した場合は、逆に、何かを外したり、変更したりして差を作っていきます。
なお、とある山陰地方の有名旅館の鯛茶漬けのように、高いプライスラインのコースにその店で絶対食べないといけない看板メニューを設定するというのが常套手段ですが、低いプライスラインは未来のお客様です。低い価格でも満足頂き、顧客教育によって上位の価格に設定したお料理を注文していただけるように設定したほうがいいというのが私の一貫した姿勢です。


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Last updated  2024.03.03 16:56:24


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