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“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

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2016.09.09
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大久保一彦が考える高単価を実現する調理技術とは

 客単価7,000円くらいまでは、素材よりもソースやタレが重要で、料理構成上のプログラム加点要素を高くすれば十分です。しかし、7,000円を超えると、タレを使いながも、よりわかりやすい高級食材を使いこなす必要性が発生しますので、料理人の経験や気質上、料理店経営を分ける精神的壁が発生します。なぜならば、高級食材を扱うにはそれなりの経験と覚悟が必要だからです。
客単価が税込9800円料理を越える店では、すでにお話しました前提加点要素で有名シェフのような加点要素があるか無いかで方法論が変わってきます。前提加点要素である有名シェフであればメッセージ性が高くして、独自性を出すことができます。超有名シェフであればあらゆる点で有利になり、そんなにすばらしい食材を使わなくても+50点の加点は大きく、評価されやすいです。しかし、前提加点要素がない場合は、料理構成上のプログラム加点要素が高い高得点食材をめいっぱい組み込みプログラム自体を高くしておかねばなりません。そして、前提加点要素がつくようにブランディングします。
食べログの良い点は今まではマスメディアのような情報の風上にいる人にいる料理人がブランディングには有利でしたが、スマートフォンの普及による情報の大衆化で、どの料理人にもチャンスが生まれました。
ここの価格帯になりますと、高級食材を取り扱った経験がものを言うようになり、できる人が限られます。14,000円~19,499円が食べログの評価の高い店が多い単価設定で素材自体がそこまででなくてもプログラム加点要素が高い高得点食材をめいっぱい組み込みプログラム自体を高さと料理人のパフォーマンスで評価を得ているケースが多いです。
19,500円~26,900円になりますと顧客目線とエンターテイメント性がかなり重要になり、トータル的な技術が要求されるようになります。26,900円を超えると、ピンの食材を仕入れるルートがまず必要になります。この点は次の仕入れ技術のところでお話しましょう。
そして、ピンの素材を極限まで引き出し、お客様を納得させる技術が必要です。ピンの食材を活かして評価を得るには、手を加えていていないようで、実はものすごい準備と経験が必要です。14,000円以上の客単価の店で食べ混んでいない食べ手だと、「シンプルだった」という評価になるかもしれません。だから、昔の高級店は意味なく高級食材を重ねたわけです。
 例えば、大阪の『ミチノルトゥールビヨン』の道野正シェフのロッシーニの説明を例にお話しましょう。
「おいしい、ロッシーニというのはまず、牛肉の目利きが重要です。脂がない肉を選びすぎると堅かったり、パサついたりしてその食感ばかりが際立ちおいしくできあがりません。しかし、脂が多すぎるとくどくなる。そして、このほどよい肉に火を入れる、ただ、火を入れるのではだめで、表面がカリッとして、内側がジューシーになるよう焼き上げる。何よりも、フォアグラを焼き上がるタイミング、ソースが暖まるタイミングにあわせて調理をしないといけません。ちょうどいい一瞬で焼き上げると、ソースとフォアグラと牛肉に一体感が出て、牛肉のおいしさが引き出されます。しかし、この同時進行でやっている調理のタイミングがずれると失敗です。だから、経験とセンスがよくないとできないです」
高単価のお店はよい素材を選ぶのはある意味当たり前です。その素材の持ち味を、食べ込んでいる人が驚くほどに最大限に引き出された調理技術が必要なのです。

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Last updated  2016.09.30 09:17:42


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