カテゴリ:すし協同研究所
シビマグロの部位と希少部位
シビマグロは、鮃のように、背中側、お腹側、骨の部分の五枚におろします。 切り分けられた腹身は腹一丁と言い、頭に近い部分を腹上、腹中、腹下と言います。 腹上は一番と大トロが多くとれるカマ下、その下の腹上2番に分かれます。 伝説の鮨職人藤本茂蔵氏は”腹上(はらかみ)”と呼ばれますカマのとなりの部分部分しか使わなかったそうです。 この腹上と呼ばれるカマ下の部分が一番高く、『行天』のようなレベルの鮨店ではキロあたり5万~6万円、あるいはそれ以上という驚くべき仕入れ値で仕入れています。 カマ下の下側の腹上二番は、中トロが多くとれます。 もちろん、大トロもとれますが、大トロがどれくらいとれるかは、鮪問屋がどれくらいカマ下を大きくとるかで変わります。 場合によっては、ほとんど大トロがとれないこともあります。 腹上二番を買う鮨店は、『第三春美鮨』のように赤身や中トロを好む常連が多い店だと言えるでしょう。 魚のお腹の下の内臓を包んでいる部分のお肉を”砂ずり”と言います。 この部分は蛇腹とも言われ、大トロの部分です。 冬の脂のりの良い季節には、本来は赤身のある部分に中トロがい込みます。 このときに、大トロとの際に指二本分の”エンピツ”と呼ばれる細長い脂がのった中トロを柵取りできるようになります。 かような事情で、この“エンピツ”が、たいへん希少場部位となります。 また、このような脂ののったシビマグロの、血合いに面した中トロは”血合いぎし”と言われ、鮪独特の血の香りと爽やかな酸味を感じることができます。 とは言え、魚との出会いは一期一会です。 高級鮨店に数多く通う意味は、このような希少部位に出会えるかもしれないということにあるのです。 《参考》銀座渡利益【部位】いくつ知ってる?柵取りの仕方と部位別の特徴【マグロの捌き方】 を、ぜひ参照ください。 本日のおすすめはこちら! ◆◆すし技術教科書 江戸前ずし編 / 全国すし商環境衛生同 / 旭屋出版 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2022.10.30 13:07:59
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