カテゴリ:経営者のための連続コラム
ほぼ社員で店舗経営するメソッド その7
2-3 中途社員入社の対応 大:実際、中途採用も獲るんですよね。 加:はい、もちろんです。はい、外食産業は中途採用が圧倒的に多いですから。 大:中途社員にも何かやっているんですね? 加:入社した中途採用の人に求めることを明確にしました。何を求めるかと言いますと、お店の基準です。 「入社して店に配属されて現場に入ると、あなたは経験も多いから気づいたこともたくさんあると思います。しかし、大切にして欲しいのは今までの経験よりも、お店の基準を身につけてからいろいろ提案をもらいたいんだ」と。 大:それは大切ですね。先に経験を出してしまうと、お店のスタッフと入社した中途採用の距離感を生んでしまったり、反発が生まれますからね。 加:そうするともったいないですね。 大:へたをすると、潰しにかかられたりしますものね・・ 加:はい。なので、今までの経験よりも店舗の基準を身につけて欲しいんだ、と伝えましたし、店舗にも了解を得てました。 大:基準を身につけたところで面談すればよいわけですね。 加:はい、絶対出てきます。お店の基準ってその人にとっては特殊なんですよ。 また、経験があるので、“なぜ”と思うことがあると思うんですね。その「なぜ」ということには質問をどんどんしてね、と付け加えます。わからないままだともやもやするんで、お店の基準を身につけているときに辞めてしまうことがあるからです。 中途の人は経験があるので、厨房のサイド・メニューの仕込み、ホールのセッティングのようなポジションを新入社員などに比べれば早く任せることになりますね。その精度を店長や料理長が確認して共有します。 大:全員お店の基準に摺り合わせていくわけですね。 加:あとは、予算達成はもちろんですが、取り組みの成功体験を積む大切さを話し、担当の役割を明確にしてました。 私は、目的、目標、役割、責任と順番で考えています。例えば、目標で先ほどの事例、焼肉屋で網を交換する(18枚使う)とします。網を交換するという目標があるということは、目的がありますね。おいしいお肉を食べていただきまた来ていただく、という目的です。そういう目的があるから、網交換で、役割は最高のタイミングで最高の笑顔で喜んでいただくという役割があり、責任は1テーブルあたり最低3枚ですね。 というように、目的、目標、役割、責任をベースに話をするわけですが、これを社長の私が話しても意味がないので、より下の階層、できれば現場の店長、アシスタントが話ができるようにしなければなりません。 大:そうですね。お客様に喜んでいただくという責任を、自分たちで考えて日々改善していくのですね。 加:あとは、中途社員というより、全社員について言えるのですが、社長は未来を語ることが大切です。 大:未来を語りながら、経営理念、すなわち、未来像にベクトルをあわせていくのですね。 加:そして、ルールを守ることです。ルールというのは、どちらかというと、残業時間とか休日とか会社として実現しないことです。そういうことすると、当時はそういう会社がなかったので、誇りを持って働いていだいてました。 例えば、『牛の蔵』は年末の31日、お正月三日休んでました。 大:そうなんですか! 加:はい。売上は立たないですよ、しかし、31、1,2,3日を休むことを数年経過すると、スタッフや店長の奥様が「お父さんの会社ってこういう時休みだからいいよね」と言ってくれるようになります。そうなると、社員が辞めなくなります。 大:結婚したら辞める人が多いですものね。これは、昔の外食と違いますね。 加:そうなんですよ。外食産業で働く人って人生の節目節目で辞めることを考えるというパターンがあります。彼女ができたから、結婚するから、子供が生まれたからとか・・ 訳わかりませんね。そうだから、「この会社でがんばるぞ!」と本来はならないといけませんよね。そういう会社でありたいです! 大:パート・アルバイトさんを多く使うようになり、社員には厳しい職場になりましたね。 だから、アルバイトさんも社員になりたいと言わなくなりましたね。 加:悪いスパイラルですね。 こちらに続く 2017年6月会報四方よし通信より 本日のおすすめ 【中古】 三十歳バツイチ無職、酒場はじめます。 1 / トリバタケ ハルノブ, 大久保 一彦 / 集英社 [コミック]【ネコポス発送】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2023.08.29 10:49:58
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