テーマ:グルメな仕事(992)
カテゴリ:産地・生産者訪問
さて、塾生の課外授業、パート2は、但馬を代表する畜産家の上田さんです。
昨年はパッションアンドクリエイトの豊島さんと訪問しましたね。 上田畜産は平成3年に繁殖牛12頭でスタート。上田氏は幼少より牛が好きで、良牛生産が夢だったそうです。そのため販売した子牛の売上全てを素牛導入に注ぎ込みながら、平成14年には繁殖牛100頭・肥育牛の飼養もスタートし、但馬地域においしては新しいスタイルとも言える繁殖・肥育の一貫経営をスタートしました。そして21年上田畜産を設立。但馬地域、いや全国でも先端の生産者であります。 町の子牛品評会はもとより兵庫県畜産共進会では最高位の名誉賞を5回受賞。5年に一度開催され、和牛のオリンピックと言われています全国和牛能力共進会にも三度出場して三度とも優秀賞を受賞するすばらしい牛を育てあげています。 ということで、まずは、最近オープンしましたブティックからです。 屠殺された牛はこちらのバックヤードで処理されます。 上田さんは“但馬玄”と言う商標を取得して飲食店はもとより高級スーパーに提供しています。 基本は半丸。パーツ売りはしません。 また、問屋流通も排除する徹底ぶり。 続いては、上田さんの現場に移動します。 まず、上田さんの牛の特徴を言うと安心安全でしょう。 2010年前後までは、上田さんは抗生剤を使っておりましたが、どんどん抗生剤が強くなる一方、抗生剤が効かなくなってやめるしか選択肢がないことに気づき、合成の抗生剤の投与をやめたそうです。 抗生剤をやめると牛がばたばた死んでいったとおっしゃいます。 現在、新生牛の病気回避のために母体に接種していたワクチンや生後2ヶ月で摂取していた呼吸器系疾患のワクチンをやめました。現在、生後14か月まで二種類の天然系抗生物質(ペニシリンなど天然由来のもの、エンゲマイシン)を与えるものの、14か月以降は、抗生剤を一切与えていないのです。 ※抗生剤についてはこちら 確かに、食品の安全が叫ばれるにも関わらず、ヨーロッパで使用が禁止されているモネンシンなどが使われています。 よく、ホルモンを扱う人の手荒れがひどいことを聞きますが、残留抗生剤の影響があるのかもしれません。現に上田さんの内臓を洗って、手が荒れないそうです。 三年前、厚生労働省は餌に抗生物質を混ぜることを許すようになりました。 意外と店の人はご存知ないと思いますが・・ 『Shake Shack』が抗生物質フリーの肉を使ったことを打ち出しアメリカで大成功したように、日本においてもこのじゃぶじゃぶ抗生物質の問題は大きなテーマになるでしょう。 そして、同じ牛飼いの綿田さんが驚いたのが、刺しを入れるためにビタミン調整をしていないことです。 基本的に、刺しを入れるために毎日採血して、ビタミンE欠乏症で目が見るか見えないかにします。 目が見えるか見えないかもある意味、異様ですが、この採血もストレスがあるそうです。 さらに凄いのは飼料です。 従来のえさはトオモロコシを主体とした、大豆と大麦の配合脂肪でした。 これだと飽和脂肪酸が組成されます。 それをこちらのセサミヘスフィールドに変更しました。 これはそば粉、そば殻、米糠、ごま油粕の配合した独自の飼料です。 必須アミノ酸の含有量が高く、Ca、Mg、セレン、亜鉛のミネラル分の微量要素が多量に含有し生体の生命維持に欠かせないものを含んでいいます。このような飼料を与えることで、成長に必要な栄養素・アミノ酸を得ることができ、生体細胞を強める働きも充足でき、健康に育つ一役を担います。 育った牛は不飽和脂肪酸を多く含有して、あっさりした脂の牛肉となるのです。 さらに、驚くのは、飼料が、Non-GMO。凄い~。 しかも、毎月、本当にNon-GMOかどうか検査機関で調べているそうです。 そう、自分以外信じない、自分で確かめる。 責任ある生産者です!!!! こちらが戻し堆肥です。 堆肥の消毒は一切行わないそうです。 ハエの駆逐は一切しないそうです。 80度のエアを吹き込むだけ。 放線菌ができる。そのため抗生物質は一切検出しないのです。 凄い。 (インタビューのは「四方よし通信」にて) この堆肥の牛床のおかげでふかふかで冬でも暖かいそうです。 愛情をかけて育てるおけがで上田さんの雌牛は36か月で700kにもなるそうです。 小さいことで有名な但馬牛ですので、これは驚きです。 ストレスがないので、私たちよそものが来ても、ずっと寝ています。 驚きですね。 勉強になりました。 ありがとうございました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.04.30 16:52:16
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