カテゴリ:すし協同研究所・現地勉強会
中野屋 @長野県諏訪郡原村 ~原村にあるすばらしい『海味』の系譜
すぐそばの打ち合わせが順調に終わり、予約しておいた『中野屋』へ。 少し早めに店に到着し、暖簾が出ていないので車で待つことにします。 すると、奥様がどうぞと声をかけていただけました。 入り口に入ると可愛いお嬢ちゃんが『いらっしゃいませ』と挨拶してくれます。 家族、総出での歓迎ですね。嬉しいですね。 ビジネス化されるレストランであるが、しかし、飲食店は家業であると言う素晴らしい側面があります。私は仕事柄、結婚してしばらくして開業して予想外の幸運に恵まれることに遭遇しました。 昔、とある塾生のご夫妻が開業されたとき、これまで恵まれていなかったがおめでたでどうしたら良いかと相談を受けました。それで、まだ開業したばかりで一人では大変だし、かと言って人を雇うのはもっと大変だから、ベビーベッドを傍に置いて奥様に開店時間1時間まで手伝ってもらったらとアドバイスをしたことがあります。多分、その少し前に日本経営合理化協会の店舗見学会でご縁があった大阪の料理人が開業した頃の話があったからかもしれません。その人(黒岩シェフ)は開業後子供が生まれて背中におんぶして料理をしたと言うのです。 人それぞれ感じ方はあると思いましたが、これぞ家業としての良さだと思いました。 客人を家族のようにもてなしくつろいでもらうと言うのは企業経営ではできないと思うのです。 まずは、来店前に當店『中野屋』を調べた『すしログ』より 「海味」の系譜出典: 『すしログ』 ノンアルコールビールを注文した後、大将がつまみからで良いでしょかと尋ねてきて、お願いしますと伝えると、鮃と縁側が供せられました。 見た目、少し寝かせている印象。 少しねかせた柔らかですが、ポン酢をつけていただくとたいへんおいしいですね。 赤貝 コリっとした食感のあと、赤貝らしい良いが広がります。 これもすばらしい。 ひもきゅう 中には細く切った胡瓜が綺麗に入っていて、こりしやきとしたテクスチャが楽しめ、赤貝の味わい、海苔の香りが楽しめます。 宮城?の白魚の茶碗蒸し 熱々で体が温まります。 佐島の真蛸 山葵をのせてこれは美味しい。 甘海老 ねっとりして美味い。 中トロ 刺身ですが、鉄の余韻が良いですね。 北海道の公魚 と葱の天ぷら カリふわ ガリが出たところで、握りに入ります。 墨烏賊 こりっと言うよりザクザクのテクスチャが良く、赤酢のシャリの酢加減のバランスが良い 小鰭 真ん中包丁一本入れて見事な見た目の小鰭です。 皮が柔らかてふわとした小鰭。 シャリの大きさとバランスよく美味しいです。 細魚 生姜の香りよく エボダイ 私の好きな魚種。でも、ほとんど見かけない。 口当たりは少し活かっている第一印象だが、脂がのっていて柔らかい 鰆 漬け うまい!! 鰯 身がしまっていて脂のりがちょうど良くうまい 小鯛 醤油と軽く酢橘を絞って ふわふわな脱水。 〆鯖 二枚付にして供せられました。 最初に軽い甘さがきて、鯖のうまさがくる 煮帆立 複雑な味と香り。 私は火を入れた帆立の甘さが好き。この握りを食べながら唐津の 『つく田』の松尾さんの顔が浮かびました。Facebookでほぼ毎日投稿見てるからかな。 赤身の漬け 赤身の香りを楽しんでくださいと言うことですが、軽い余韻が良いです。 昆布と若布の味噌汁 蛇腹 脂と香りが広がります。 茨城のマカジキの漬け 辛子 身がしまったマカジキは味わいがあります 辛子がツーンとアクセント。 穴子 穴子はふわふわに煮と言うよりは炙って良さを引き出した穴子。美味しい。 雲丹 綺麗な六の字で 干瓢巻きと玉子 追加 墨烏賊 こちらは墨烏賊らしい食感で好み 墨烏賊 下足 ツメ そう言えば、ここ半年間に行った初めての店で光ものや締めものも貝も出ない鮨寿司店があった。 そう言う意味で、本来あるべき江戸前鮨の構成で大変良かったです。 もちろん誰が食べても美味しいと思うのですが、こちらの店は食べ込むとよりしみじみ感じるであろう、素晴らしさがあります。 そして、大将のホスピタリティの高さが一つ一つ目の前に置く時に感じます。それも良かったです。 それでいて、目の前の客人にやその客人が求める時代のトレンドに流されず、高い技術を貫く素晴らしい鮨店だったと思います。 これは、わざわざ原村まで来る価値がある店ですね。 2000年代初頭に、「料理人よ故郷へ帰れ」と言うコラムを昔『日経レストラン』の連載で書きました。 私は、その前に、レストランは人を呼べると言うことを、サンボネルフロアのレジス・マルコンやライヨールのミッシェル・プラスやクレモナのダルペスカトーレなどで体験して、確信したわけなのですが、あれから、日本でもいろいろなレストランに出会うことができました。 もちろん私が好みの店と言う話ではありますが、最後に備忘録に『楽天ブログ』にリンクをはっておきます。 薬院の『鮨行天』、福島の『う越貞』、いわきの『HAGI』、古宇利島の『シス』、植木の『花小町』、雲仙の『ヴィッラ デル ニード』、京都の『飯田』、広尾の『飄香(ピャオシャン)』、国東の『六郷』、そして、本日の原村の『中野屋』。 そうだ、ジェームズオオクボ2024を発表しよう。 帰りしなに皆さんでお見送り。 料理ま素晴らしいがおもてなしも素晴らしい店でした。これは、季節を変えて車を飛ばして勉強したい店ですね。会員さんへのヒントがお土産にできるはず。 奥様の丁寧なお見送りもさることながら、一番印象にのかるのはお嬢ちゃんのお見送り。 これですね。 中野屋 〒391-0104 長野県諏訪郡原村払沢6651 電話 0266-79-5028 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.02.02 16:25:06
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