恐怖劇場アンバランス 第6話「地方紙を買う女」
完成もしていないのに出版計画が浮上。話がデカくなってきましたな。。。恐怖劇場アンバランス 第6話「地方紙を買う女」監督 森川時久 脚本 小山内美江子とある地方の新聞社・甲信新聞に「杉本隆治の連載小説を読みたいので定期購読したい」とのお手紙が届いたよ。杉本隆治は発表の媒体を問わずバリバリ書きまくるエネルギッシュな小説家。そんな読者がいてくれたことに気を良くする。しかし一ヶ月後「やっぱつまんね―から定期購読止めるわ」と衝撃的なお手紙が届く。手紙の差出人は芳子というホステス。腑に落ちない杉本は仕事のパートナーであるトップ屋・木沢に芳子について調査をさせる。そして芳子が定期購読を申し込んだ日から取り止めるまでの一ヶ月間の記事をチェックする。地方紙なので大した記事は見当たらなかったが、東京から来たカップルの心中事件が目を引いた。そんなこんなで杉本は芳子が勤めるキャバレーに行き「僕の小説のどこが面白かった?」など芳子にカマを掛ける。しどろもどろの返答に「この女は自分の小説を読んでいない」と確信する。そんなこんなで今度は芳子が杉本の周辺を調べ始める。杉本のマンションのベランダで甲信新聞の女性編集員・ふじ子の姿を確認する。ふじ子は杉本に好意を持っている。そんなこんなで杉本は芳子に「新作のアイディアができた」と再びカマを掛ける。ある日、心中事件が発生したが、それは見せかけで本当は第三者の手による殺人事件だった。それは杉本による推理でもあった。その後、芳子は杉本とふじ子を小旅行に誘う。ふじ子は芳子の手作り弁当を口にしようとするが杉本から「食べるな!毒が入っている!」と止められる。あの心中事件も、今回のような手口で心中に見せかけて殺害したのではないか、そして今、事件の真相を掴んだ我々を殺害しようとしているのではないか?とぶっちゃける。しかし芳子は「毒なんか入っていない!」と言って弁当をムシャムシャ食べる。ふじ子も弁当を食べ始める。その後、杉本に芳子からの手紙が届く。芳子には夫がいた。夫は出稼ぎにきた工事現場の作業員であり、とあることで刑務所に収監されている。その原因を作った男を心中と見せかけて殺害したが、全国紙で取り上げられるような事件ではなく、その後の経過を知るために地方紙である甲信新聞を取り寄せたという。そして先日の小旅行。弁当に毒は入っていなかったが、持参したお茶には入れていた。そのお茶を今飲んでいます、と。杉本は芳子のアパートに駆けつけるが既にこと切れていた。それから数日後。杉本にふじ子から電話が掛かってくる。「連載の打ち切りが決まったんでよろしく」。プライドが傷つけられて激昂。木沢を相手に熱弁をふるいだす。「こんなことで潰されてたまるか!むしろこれから益々伸し上がってやる!俺は俺という人物に忠実であろうとした。確かにどんな注文でも受けてきた。だが俺は俺という奴を守ってきた!ギリギリまで妥協しても俺という奴は売り渡さなかった!だがなぜ俺にこんなに注文が来るのか?なぜ甲信新聞が勝手に俺を切り捨てられるんだ!冗談じゃない!俺は書く!俺は書くことしかできない脳なしだ。何をしてもまず当てることが先決なんだ!」。木沢は杉本と決別する。お・わ・り未見だったのでこの機会に鑑賞。原作は松ちゃんこと松本清張。ラストシーンは原作になく小山内美江子の手によるものらしい。それまでの展開とつながっておらず唐突なんですが1969年の空気感が素晴らしい。『恐怖劇場アンバランス』は深いね。駄作もあるけど。