横溝正史シリーズⅡ 仮面劇場 最終回
労働者っていうのはいつもうまい飯を食ってるのかもしれないな。 車寅次郎 横溝正史シリーズⅡ 仮面劇場 最終回「ボク金田一耕助デス」の名セリフでスタート。一気に三人が殺害、綾子が容疑者として連行される。綾子が不在の間、静馬・由美兄妹が虹之助を預かることに。その頃、恭三は病院を抜け出し行方不明になる。金田一は東京の鈴木病院を突き止め、恭三の中学時代の友人・鈴木院長(三代目おいちゃん)と対面。病院には琴絵が鉄格子付きの病室に入院していた。その顔は虹之助そっくり。ここで鈴木院長が事件の背景を解説。恭三の母親と甲野梨枝子は姉妹だった。志賀家と甲野家は小豆島では名家。恭三の母親は甲野四方太と結婚するはずだった。甲野四方太は静馬・由美兄妹の父親だ。しかし結婚に反対多数、そこで恭三の父親が結婚することに。甲野四方太ショック。その後、梨枝子と結婚することになった。恭三の父親は猜疑心が強かった。結婚後8ヶ月で恭三が生まれたことで「甲野四方太の子供ではないか?」と疑う。そして猜疑心マックス。家業を放り出して酒と博打にはまりあっという間に没落&刑務所行き。残された恭三と母親を甲野四方太が面倒を見ていた。ところが刑期を終えて小豆島に戻って8ヶ月。今度は女の子が生まれた。それが琴絵だ。恭三の母親は子供を産みやすい体質だったが、またしても猜疑心マックス。甲野四方太との浮気を疑い、狂ったように恭三と母親をせっかん。そして放火&獄死。恭三の母親は恭三と琴絵を甲野四方太に託すと自死。こうして志賀家は没落、恭三はゼロ戦のパイロットだったにもかかわらず戦後米兵の下で働くことになった。虹之助出生の謎を残したまま金田一は鎌倉へ戻る。綾子は恭三と結婚しても良いと思っているが、恭三は受け入れようとしない。そんなことを話している金田一と綾子の目の前で静馬が突然苦しみだして死亡。静馬が咥えていた絵筆にストリキニーネが塗られていた。大急ぎで屋敷に戻ると由美が苦しんでいた。その横では虹之助が黙々とフルートを演奏。そんな中、琴絵が鈴木病院を抜け出したとの知らせが入る。さらに金田一に恭三から「会いたい」と電話がかかるが、いつまで経っても現れない。恭三は屋敷に潜入、虹之助を殺そうとしていた。抵抗する虹之助にピストルを向ける。庇う綾子。そこへ金田一が駆け付け虹之助に「僕の姿が見えるね?声が聞こえるね?」と問いかける。「8人もの人間を殺したのは君だな!?」。そこへ琴絵が現れ、恭三からピストルを奪うと虹之助を助ける。「皆殺しできなかったのは残念だがそれはまたのお楽しみだ!」。金田一は逃げる虹之助と琴絵を追いかけようとするが恭三に止められる。恭三は琴絵に真相を話したという。「これが私たち兄妹の宿命なんです」。琴絵は虹之助を殺して自分の命も断つ。虹之助と琴絵が似ているのは、恭三の父親が放火した夜、甲野梨枝子を襲ったからである。10ヶ月後、梨枝子はひっそりと男の子を生んだ。それが虹之助だった。その後、甲野四方太によって九州へ里子に出されたが15年後に小豆島へ戻る。引き取りたかった梨枝子に代わって虹之助の面倒を見たのが尼僧だった。しかし尼僧の手には負えなかった。虹之助は生まれつき冷酷非情だった。甲野家にあらゆる嫌がらせをした結果、甲野四方太を毒殺した。証拠はなかったが恭三、尼僧、梨枝子は虹之助を水葬することにした。ところが綾子に助けられ、自分を殺そうとした甲野家の人間を皆殺しにしようと計画したのが事件の全貌であり、恭三が綾子と結婚できない理由でもあった。「志賀家の血は汚れてるんです」。でも二人がラブラブなのは「唯一の救いですよ。二十年ぶりの恋が実を結ぶかもしれない」。そして綾子に失恋した金田一は入水自殺未遂。お・わ・り