新・座頭市 第2シリーズ 第19話「めの字の置きみやげ」
今年はしんどい一年だった。新・座頭市 第2シリーズ 第19話「めの字の置きみやげ」脚本 勝新太郎・村尾昭 監督 小林正雄市がとぼとぼ歩いていると馬喰のちびっ子・三太が馬に乗れと誘う。つうことで馬に揺られてとある村にやって来ましたよ。三太は村のクソガキ共から「野良犬!」「捨て子!」と罵られるが、市をほったらかしにしてガチンコファイトで逆襲する。そんなこんなで市は親から捨てられた子どもたちが共同生活をしているちびっ子ハウスに案内される。おはるは少女だが子どもたちから「お母ちゃん」と慕われ、母親代わりになってちびっ子ハウスを運営していた。その日、おはるは三太の件でクソガキ共の保護者から非難浴びまくり、謝ろうとしない三太に代わって土下座する。市は子どもたちから年齢を教えてもらい、「お母ちゃん」の年齢がまだ十六と聞いて「ずいぶん若いお母ちゃんだなあー」と頭を抱える。計算が合いません。おはるには定八(渡辺篤史)という彼氏がいた。いつか定八と一緒になれたらいいなあ。その夜、市はおはるの身の上話を聞く。おはるも両親をしらないが、いつでも心の中にいると話す。「おばあちゃんがよくこう言いました。人間はこの世に生まれたら自分が得意なことをして世の中に返さなきゃいけない。あたしが得意なことは子どもたちと遊ぶことなんです。うちの子たちは皆親無しっ子です。でもあの子たち喧嘩したり、泣いたり笑ったりしているのを見るとあたしとっても幸せなんです。だからおばあちゃんに教えてもらったことをあの子たちに教えてあげようと思ってるんです」。市は感動しておばあちゃの位牌に向かってご挨拶する。「ホントに・・・よくお育てなさいましたね。おはるさんは幸せになりますよ」。つうことで子どもたちとすっかり仲良し、皆と遊んでイエーイ。おはるは市に感謝し、市も子どもたちと遊んで元気いっぱい。「子どもたちと一緒にいるとホントお天道様と一緒にいるのと同じだなー」。皆でおにぎりガツ食いイエーイ。ある日、子どもの一人が熱を出す。おはるは治療代を稼ぐため見知らぬ男を相手に身体を売る。市も町に出て正業に精を出す。地元の親分相手にマッサージ。ところが親分は料金未払いで市を叩き出す。そんなこんなで市はちびっ子ハウスの運営に誠心誠意で協力(掃除・巻き割り)、子どもが回復したことを見届けると旅に出る。しばらくしておはるは身体を売った男を見かけ、男に居所を突き止められる。男は親分に情報提供。上玉だぜ。金になるぜ。止めに入った定八をボコボコにするとちびっ子ハウスへ向かう。偶然その場に居合わせた市はがっつり聞き耳を立てていた。つうことで親分たちがおはるを極悪スカウトして連れ出そうとしたところに市がぶらりやって来る。「えへへ、どちらへ?」「なんだ手前エは?」。市は親分たちに唾吐き攻撃を開始、袋叩きにされるがおはるに向かって「子どもたちにちょっと目を瞑らせて下さいよ」とご案内。子どもたちが目を瞑っている間に全員皆殺しにする。子どもたちには刺激が強すぎますからね。死体も片づけました。目を開けると市の姿はない。「市さーん!」「おじちゃーん!」。代わりに両方の鼻の穴から血を流した定八が現れ、おはるに街道で身体を売ったことを確かめる。おはるは否定しない。定八はおはるを抱きしめる。二人を温かく見守る子どもたち。その後、ちびっ子ハウスに市が習字の時間に書き残した「め」の字の書が見つかる。達筆な書に子どもたちは「うめえなあ・・・」と言葉を失う。市は吹雪が舞う中、旅を続ける。お・わ・りこの放送の三日後に勝新がアヘンを不法所持で書類送検されてしまいます。たぶん当局と打ち合わせ済み。つうことで『新・座頭市 第2シリーズ』は打ち切り。エライ置きみやげをぶっこんでくれましたね。