ウルトラQ倶楽部 第24話「あの日はもう帰らない」
某大学でゲスト講義。「ミナミの帝王」や竹内力について話をした。誰も止めようとはしない。やりたい放題。ウルトラQ倶楽部 第24話「あの日はもう帰らない」淳、一平、由利子の三人はデパートで開催されている展覧会に足を運ばせていた。由利子の友人である紙人形作家・高沢誓子の個展である。高沢誓子の作品はどれも懐かしい世界を感じさせるものであり大盛況だった。ある日、作品の一つである「憎まれっ子」だけが消え去ってしまった。そのことを残念がる由利子。酔って帰宅すると何者かが語りかけてくる。紙人形の「憎まれっ子」だ。「憎まれっ子」は高沢誓子によって命を吹き込まれ、憎らしげな表情を可哀想と言ってくれた由利子のもとに現れたのだ。そして由利子は「憎まれっ子」によって青い月の光の世界へ導かれる。その頃、淳と一平は連絡が取れなくなった由利子のことを心配していた。そこへ由利子が姿を現す。昨日、丸一日の出来事を全く覚えていないと言う。由利子の空白の一日。由利子は「憎まれっ子」の手を掴んで一緒に空を飛んでいた。二人は地上で走っている蒸気機関車に乗る。車窓から見える藁ぶき屋根の家。木造の学校。火の見櫓。田んぼの牛。鯉のぼりの上がっている家。神社。縁日の屋台。これらは皆の心のふるさと。そして高沢誓子の紙人形の世界でもあった。ひとりアカンベーをしている「憎まれっ子」もいる。生まれ育った場所や時間に関係なく、誰もが持つ心のふるさと。どこかで体験したような、不思議な懐かしさがこみあげてくる世界。高沢誓子は必ず誰かを似せて紙人形を作る。ひょっとしたらこの世界にも由利子に似せた紙人形がいるかもしれない。しかし「憎まれっ子」だけ命を吹き込むことに躊躇したという。なぜなら「憎まれっ子」は「憎まれっ子」だから。「憎まれっ子」は高沢誓子の本当の姿だった。綺麗ごとは紙人形の世界だけにとどめておきたかったので「憎まれっ子」の製作を止めようと思ったが、「憎まれっ子」は高沢誓子の意思に反して生まれてしまった。「憎まれっ子」は由利子に水車小屋を見せる。水車小屋の中には亡者たちが必死で水車を止めようとしていた。水車にぶら下がる亡者、地面に叩きつけられる亡者、押し潰された亡者もいる。高沢誓子が描いたきた世界とは似ても似つかない世界。そこには「時を刻む車 あの日はもう帰らない」と殴り書きされていた。由利子は目を覚ますと何か悪い夢でも観ていたような気がするが、何も思い出せない。高沢誓子の個展は今日も大盛況。しかし「憎まれっ子」の姿は無い。由利子の日記は空白のままである。お・わ・りこのシリーズ、円谷の企画というより飯島敏宏の個人的な企画で作られたのでは?演出は飯島敏宏が半分以上の13本を担当。次いで実相寺昭雄が5本、樋口祐三が2本とTBS人脈でガチガチ。脚本も千束北男6本、佐々木守5本、上原正三4本と、ものすごいことに。飯島敏宏が声掛けたんだろうなあ。出来不出来の落差が結構大きかったりもするがあまり気にならない。映像的な制約が無いので面白かった。そして本家・円谷プロはいよいよテレビシリーズでのリメイクに着手する。