横溝正史シリーズⅡ 夜歩く 最終回
チャンリンシャン。 薬師丸ひろ子横溝正史シリーズⅡ 夜歩く 最終回「ボク金田一耕助デス」の名セリフと共に今回も始まったね。八千代は直樹、屋代、お藤に匿われていた。屋代は直樹に警察に保護を申し出たほうがよいと言うが反対される。蜂谷は夕べもこの離れにやってきた。最近見つかった首なし&手首なし死体は四万太だった。四万太を殺したように八千代を狙っている。四万太はお柳、鉄之進と飲んだのが最後だった。その時、四万太は魚を焼いた際に火傷を負っていた。金田一と日和警部は鉄之進に四万太の死体を見た時の状況について確認。首はなかったが「指の先に包帯を巻いてあったのですぐに分かった」と話すが死体は手首もない。「手首がなかったのは・・・気がつかなかったな。いや~気がつかなかったな」と怪しさ満々。その夜、金田一はおしっこするため表に出たところ男に追われる八千代を目撃する。八千代は目と鼻の先に潜んでいた。八千代たちを追う金田一と日和警部。直樹と屋代も後に続くが男を逃がしてしまう。そして首のない八千代の無残な姿を発見する。オエ~と戻しながらも直樹は号泣する。そんな中、蜂谷が着ていた衣類を発見。さらに山田花子がとある寺に預けられていたことが分かる。山田花子は会話ができなかったが「ごめんなさい。静は悪い女でした」とだけ口にしていた。金田一と日和警部は鉄之進、お柳、直樹、屋代、お藤、乳母を集めて真犯人を発表する。まず最初に見つかった死体は蜂谷、首は守衛のもの。蜂谷の死亡推定時刻は解剖結果から午後11時前後。しかし本当は午後7時前後。なぜなら凶器の日本刀を金庫に納めたのは午後9時過ぎだから。日本刀は金庫にしまう前に使われた。八千代は蜂谷に夕食を午後5時に届けたが不在。届けた食事を自分で食べ、自分で着物の袖をちぎり、蜂谷に乱暴されたと見せかけた。八千代が夜中に歩いていたのはスリッパに血が付いていたことを証明するための芝居だった。加えてお藤と蜂谷は実はデキていたため、ところどころで嘘を重ねていた。守衛の殺害は八千代が夜中に歩いていた頃に行われた。そして蜂谷の首と守衛の胴体が発見される。二人は同じ血液型だったことで捜査陣は振り回された。一方、四万太は鉄之進によって殺害。凶器の小刀から鉄之進の指紋が検出された。四万太殺害を蜂谷の犯行と見せかけるためわざわざ首を切り取った。そんなこんなで真犯人は屋代であり、山田花子は最愛の妻・お静だった。動機はお静を乱暴し発狂させた直樹への復讐。あちこち出没していた蜂谷風の怪しい男は屋代の扮装だった。しかしなぜ八千代を殺したのか?屋代は八千代の死体の前で直樹を殺すつもりだった。復員後、おしずを探し回ったが悲惨な状況を知って復讐計画を立てた。手始めに直樹が愛する八千代を手に入れた。直樹がお静にしたように。八千代は屋代に対して従順になった。古神家と仙石家の争いに嫌気がさしていた八千代は屋代の計画に引きずり込まれる。そして直樹を苦しめるために八千代まで殺害する。金田一は屋代の気持ちが理解できた。二人は戦場で敗走を重ねた。「あの時お静だけが生きる支えだった。俺にはお静との生活があれば良かった・・・」。しかしお静は生きていた。殺しさえしなければお静と生活できた。「俺たちが地獄の戦場から戻ってきたのはそのためじゃなかったのか!」。戦場で屋代から命を粗末にするなと言われたひと言が金田一を支えていた。金田一は屋代にお静の面倒をみることを約束する。一方、お柳は言い寄っていた二人の男を同時に失う。帰りの夜行列車。涙を流す金田一に日和警部はハンカチを差し出す。金田一はハンカチで涙をぬぐうが煤で真っ黒毛。二人とも思わず吹き出す。お・わ・り今回は映像京都ではなく東宝が製作。脚本が説明不足。演出はそんな脚本に頼り過ぎ。ダメではないけどもの足りなかった。徐々に質が下がってしまうのはシリーズものの宿命ですな。