横溝正史シリーズⅡ 不死蝶 最終回
『ジャッカー電撃隊』エンディング曲「いつか、花は咲くだろう」歌:ささきいさお横溝正史シリーズⅡ 不死蝶 最終回「ボク金田一耕助デス」の名セリフと共にこれまでのあらすじを全部解説。宮田が警察に連行された。峯子は慎一郎に相談するが動こうとしない。初めて慎一郎に不満をぶつけるが、慎一郎は峯子と古林が密会を重ねていることに強い不信感を抱いていた。あえて動かないのは「あんたのためじゃない。都のためだ!」。金田一は改めて神父さんに聞き取り調査。鮎川君江と鮎川マリが一緒に教会へ来たことが無いと聞く。その頃、宮田は連続殺人犯の容疑者として日和警部から取り調べを受けていたが、英二が殺された時、宮田はフィリピンにいた。少なくとも英二殺しの犯人ではない。慎一郎と峯子の衝突に嫌気が差した都は康雄に東京行きを懇願。そこへ金田一が現れ康雄に聞き取り調査。鮎川マリは金田一に鮎川君江と一人二役を演じていたこと、鮎川君江と玉造朋子が同一人物であることを直撃されるがあっさり認める。そして本当の名前は玉造マリであること、玉造朋子は2ヶ月前に亡くなったことを話す。玉造朋子はパウロ神父の助けで鍾乳洞を抜けた後、スペインを経てブラジルに渡りマリを産んだ。マリの父親は慎一郎だった。玉造朋子は亡くなる前に英二を殺したのは自分ではない、せめて慎一郎だけには伝えたいと話していた。手紙を出せば済むことだったが、マリはどんなことをしてでも朋子の無実を証明しようと今回のことを企てた。英二の命日にパーティを開き、古林をわざわざ呼んだのも真犯人を誘き出すためだった。そんな中、玉造家の血をひく康雄と知りあった。しかし、祖父・杢衛が殺されたのは想定外だった。そのことで自分を責めるマリ。金田一には真犯人の目星が立っていた。その夜、真犯人を誘き出すため偽の手紙で挑発。真犯人は囮とは知らず鍾乳洞に来たマリを襲う。日和警部たちは真犯人を追いかけるが峯子の死体が横たわっていた。真犯人は宮田だった。矢部家の財産を狙っていたが妹の峯子に見つかったため殺したと話す。そして署長に峯子の供養を頼むと井戸に身を投げる。事件はこれで終わった。しかし、玉造朋子の無実は証明されていない。マリは金田一に真実を聞き出そうとする。当事者の全てが死んでしまったため憶測でしかないと前置きしたうえで真相を話す。玉造朋子を追って英二を鍾乳洞に向かったが、古林と義姉・峯子の密会場面に出くわす。古林は英二を殺害。手に朋子の着物の切れ端を握らせる。それから23年後、生活に困っていた古林は英二殺害の件で峯子にたかる。それがパーティーの夜。朋子の姿を追って鍾乳洞に向かった杢衛は、古林と峯子が揉めている場面に出くわす。古林は杢衛を殺害。英二の時と同じことが繰り返された。一方、峯子は離れようとしない古林を殺害、その罪を「鮎川君江」に押しつけようとした。しかし宮田が殺害現場を目撃していた。追い詰められた峯子を助けるため宮田は峯子を殺す。泣きながら峯子の首を絞める宮田。「死んでくれ・・・こうするしかないんだ・・・許してくれ・・・なぜ相談しなかったのか。一人で抱え込んで。馬鹿野郎。だけどな峯子、安心しろ。後は俺がきちんとやるから。だから成仏してくれ」。宮田は都のことも憂いていた。金田一は全てをマリに話すと慎一郎を招き入れる。慎一郎はマリが康雄をブラジルに連れて行くと聞いて都の面倒も見てほしいと頼む。「喜んで・・・」「これでやっと玉造と矢部の血が結ばれます・・・そっくりだ。よく似ている」。慎一郎は朋子と生き写しのマリを見て涙を流す。マリも初めて父親・慎一郎と対面し号泣する。窓の外に蝶が飛んでいる。「私は帰ってきます。蝶が死んでも甦るように私はきっと帰って来ます。いつかきっと」。お・わ・り不覚にも涙。悪魔顔した山本昌平が寡黙な慎一郎役を演じたのが意外だった。複雑なお話をスッキリと見せるためか、金田一耕助を狂言回し役にしたのも良かった。血のつながらない親子の話にこだわる野上龍雄。のちに『新必殺仕事人』で血のつながらない殺し屋の親子の物語へ発展します。