ジャンボーグA 第50話「トウキョウ最後の日」
台風ですな。せっかくの休みなのに。ジャンボーグA 第50話「トウキョウ最後の日」年の瀬も押し迫った東京。満月の輝く夜が一瞬にして真昼へ、しかも気温が40度まで上昇する異変が起こった。デモンゴーネは月に巨大なレンズを作り、そこから太陽熱を東京に向けて発射していたのである。40度だった気温は50度まで上昇。各地で火災が発生する。とてつもなくデカイ作戦。熊井隊員(デブ)と安田隊員(ワイルド)はハンターQで月に向かう。「よーし俺も出撃するぜ!」とナオキもジャンボーグAで月へ飛び立つ。しかし、あっという間に撃墜されるハンターQ。「野村くん!我々も行くぞ!」と村上隊長と野村せつ子隊員がジェットコンドルで救出に向かう。その頃、月面ではジャンボーグAと女デモンゴーネが死闘を繰り広げていた。ドロップキックかましたりといつものムチャクチャぶりでジャンボーグAが優位だったが、レンズの光で全身を焼かれてしまう。ボロボロになったナオキは何とか地球へ帰還。びっくりした義姉さんと和也くんはナオキを病院へ搬送する。さて、こちらも何とか帰還できたPATのメンバー。このままだ今度こそ東京は焼き払われる。「いいか皆!。諦めるのはまだ早い!たとえ勝目が無くても命を落としてまで戦うのがPAT魂だ・・・。野村くん!安田(ワイルド)!熊井(デブ)!皆、俺に命をくれ!」と笑顔を見せながら熱く語る村上隊長がカッコよすぎです。病室で和也くんからその話を聴いたナオキは焦る。そして和也くんのひとことがとどめをさす。「ちくしょう!どうしてジャンボーグ9は空を飛べないんだ!」。確かに和也くんの言うとおり。そこでナオキはPATの観測用宇宙ロケットで月へ向かうことを思いつく。「でも待てよナオキ!月まで飛べても帰りはどうする!ということは俺は永久に・・・。なーに生きて帰ってこれなくてもいい。デモンゴーネの奴をやっっつけて・・・兄貴の仇を討つためなら喜んで死んでやる!」とものすごい自問自答を繰り返す。義姉さんと和也くんの制止を振り切って「トイレへ言ってくる」と嘘をついて病室から飛び出る。「義姉さん、どうかいつまでもお元気で・・・。和也、しっかり勉強して兄貴に負けない立派なPAT隊員になれよ。いいな!」。このモノローグにグッと来ました。そしてPATのコントロールセンターに忍び込んでスタッフ3名をボコボコに。観測用宇宙ロケットを勝手に操作して、ジャンボーグ9とドッキング。月に向かって飛び立つ。発想は素晴らしいが、やってることはグロース星人並みの悪質さです。先行して月に向かっていたPATのメンバー。後から追いついてきた宇宙空間を飛ぶジャンボーグ9の姿にあ然とする熊井隊員(デブ)の表情がリアル。ロケットから離脱して女デモンゴーネと激突。巨大レンズがジャンボーグ9を狙う。「くそう!しっかりしろナオキ!どうせ捨てた命じゃないか!戦え!怯むなナオキ!」。モノローグがいちいち熱い。光線を発射し巨大レンズの破壊に成功。それを見て男デモンゴーネに変身。「ジャンボーグ9よ!お前のおかげで私が全生命を掛けた作戦が失敗に終わった!もはや私にはお前と刺し違えて死ぬしかない!潔く死んでもらうぞ!」怒り狂う男デモンゴーネの反撃に圧倒される。しかし、襲いかかる男デモンゴーネを身体を巨大レンズの破片で貫く。「デモーン!・・・デーモーン!・・・」口と腹から緑色の血を流しながらデモンゴーネは絶命する。戦いが終わり、月から地球を見つめるナオキ。「義姉さん、和也、俺はもう二度と地球には帰れないんだ。俺は決して悲しくないぜ。こうして地球を見ながら死んでいけるんだ。悲しくなんか・・・エヘヘ・・・あるもんか!」とハンドルを握りながらつぶやく。そして「月の砂漠」を唄う。目の前に浮かぶ義姉さんと和也くんの姿、立花家での朝食、野村せつ子隊員とのほんわりしたやり取り、参謀とのPAT子ども会祭り、風間一平、大羽隊員の殉職、熊井隊員(デブ)、安田隊員(ワイルド)、村上隊長の笑顔、そして伴野社長との思い出が次々と思いだされる。泣けます。あれ?岸隊長と浜田隊長のことは思い出さないの?でもナオキがしんみりしてるからいいんです。こっちもしんみりするぜ。その瞬間、ガシーン!!という衝撃がジャンボーグ9を襲う。「PATだ!」。ファイティングスターとジェットコンドルがジャンボーグ9の身体にワイヤーを装着したのだ。「よーし!熊井(デブ)!このまま地球へ戻るぞ!」とカッコイイ指示を出す村上隊長。そして熊井隊員(デブ)も「OK!9さんよ、今度と言う今度はお前さんの捨て身の戦法には頭が下がるぜ。お礼に地球まで連れてってやるからな!」。ジャンボーグを目ざわりに思っていた熊井隊員(デブ)が最終回にしてこのセリフですよ。泣けます。そしてナオキも泣き顔で「ありがとうPAT・・・ありがとう・・・」と感謝の言葉を口にする。ジャンボーグ9とPATの帰還を迎える義姉さんと和也くん。ナオキは涙を流しながら、しかし笑顔でジャンカーZを走らせる。それから数日後、スナックではお正月に備えもちつき大会が行われる。ところ変わってどこかの星の荒野。四つの十字架。アンチゴーネ、マッドゴーネ、サタンゴーネ、デモンゴーネのものか。「我々はいつか必ず地球を手に入れて見せる。必ず・・・必ず!」お・わ・りえ?これで終わり?そう、唐突に終わってしまうんです。続編を匂わす終わり方をしながら、なんと次週から「空手バカ一代」が始まったりする。「ミラーマン」を第一部とするなら「ジャンボーグA」は第二部。思わせぶり満々な終わり方をしているのでたぶんスタッフは第三部を作るつもりでいたのでしょう。絶対に。できちゃった結婚みたいに既成事実さえ作っておけば入籍を認めざるを得ない、それとよく似た作戦で「こんな終わり方したんで続編つくりましょーよ社長~」と行くつもりだったが、そこはシビアな関西企業の毎日放送。円谷プロの番組はあまりにも金が掛かり過ぎるため敬遠したのでしょう。同じ毎日放送発でも「東映の仮面ライダーは金かからんのにボロ儲けやん」。それを言われるとぐの音も出ません。そして「ジャンボーグA」のスタッフは「ウルトラマンタロウ」の後番組「ウルトラマンレオ」の製作にほぼそのままスライドすることになる。面白かったのにもったいないです。ホントに面白かった。つうことで「ジャンボーグA」のレビュー、これにて終了。