必殺仕業人 第10話「あんたこの宿命をどう思う」
また悪だくみか。必殺仕業人 第10話「あんたこの宿命をどう思う」前回に続いてやいとやメイン。最近仕事がなくてイライラ。捨三に仕事を探してくるよう催促する。やいとやを根っからの仕業人だとこぼす捨三に主水は「やいとやだけじゃねえぞ。俺たちだっておんなじだ。仕事の味をいっぺん覚えちまうとその味が一生忘れられないんだ」と語る。ある日ちびっ子・太吉が牢屋敷にやって来る。島送りが決まった父親の伊平に会いに来たのだ。主水は鬼ごっこをする振りをして太吉を牢屋敷に入れる。走り回って伊平を探す太吉の後ろを主水が追いかける。太吉は伊平を見つけて感動の再会、その騒ぎに牢役人が伊平をボコボコにするが銀次が止めに入る。つうことで銀次の放免は取り消しになってラッキー。伊平は太吉からおゆう(ヨシエはんの声の人)がいなくなったと聞いて驚く。そして弥蔵の言うことをよく聞くよう諭すが「やだあ!あんなおじさんなんか嫌いだあ!」と駄々をこねる。伊平は主水に再吟味を願い出る。数日後、主水はこっそり伊平を取り調べ。おゆうという女がいなくなったことと再吟味に何の関係があるのか?おゆうは伊平と所帯を持つ予定だった。おゆうがいなくなれば香具師の元締・弥蔵(船村一平刑事)が太吉の面倒を見ることになっていた。しかし伊平は弥蔵の妾おとよを殺した罪で捕らえられる。話がめちゃくちゃで主水ブチ切れ。弥蔵が妾を殺した男の息子の面倒を見る訳がない。なめとんか。伊平は口を割ろうとしない。そのうえ太吉が弥蔵んとこにいるか確かめてほしいと主水に頼む。なめとんか。主水は有り金全部出せと要求する。つうことで弥蔵を訪ねるが太吉はまだ戻っていなかった。弥蔵も太吉を探す素振り無し。益々話がめちゃくちゃ。ごねる主水に弥蔵は袖の下を渡して追い払う。ついでにおゆうのことも知りませんなーと言いつつ実は座敷牢に閉じ込めていた。その頃太吉は河原で一人ぼっち。皆楽しそうに遊んでますよ。そのうち母ちゃんたちが迎えに来てほんまに一人ぼっち。そこにやいとやが通り過ぎる。太吉はやいとやについて行こうとする。やいとやは追い払おうとするが何だかなかよしになっちゃいましたよ。そこで金貸せよーとすがりついてきた貧乏カップルの剣之介&お歌に芸を見せてやってほしいと小銭を与える。いつものしょうもない芸が太吉には大受け。そんなこんなでやいとやは太吉の面倒を見ることにする。その夜、伊平が牢内で殺される。心の蔵の発作として処理されるが、殺害場面を見ていた銀次はこっそり主水に報告。主水は伊平の髷の中から書き置きと金を見つける。「勘助がきたら私は殺される。弥蔵の言いつけだ。おとよを殺したのも弥蔵。私は弥蔵の身代わり。太吉のために足を洗いたい。殺されたら恨みを晴らして下さい。おゆうと太吉を頼む」。つうことで主水たち集合。やっと仕事にありつけるとやいとやはウキウキで弥蔵殺しに立候補するが、まだ捨三が裏を取っていると主水に止められる。「お前エが伊平の倅と出会うってのは何かの因縁だぜ」。その頃、勘助は釈放され弥蔵の屋敷へ、弥蔵はおゆうに伊平が死んだと告げこれで俺の女だぜとうひうひ。これで裏が取れた。その夜やいとやと剣之介は弥蔵の押し込み現場に急行、やいとやは弥蔵を仕留めようとするがお互いびっくり。「政、お前江戸にいたのか?」「親父さん・・・生きてたんですね・・・あっしは死んだものだとばかり・・・」しかし弥蔵は手にしたノミを突きつける。「政、どうして俺をバラそうとしやがった!」。勘助もやいとやを見て驚く。七、八年ぶりの再会だ。「お前エ一端の仕業人になりやがったなあ」。やいとやの両親は仲間を裏切ったため弥蔵たちに始末される。幼かったやいとやも殺されそうになるが「子どもは関係ねえ!」と弥蔵に助けられる。弥造はいつも子守唄を唄いながら仏像を彫っていた。その子守唄を聞いてやいとやは育てられた。翌日、弥蔵を殺さなかったやいとやに主水たちブチ切れ。事情を知るが「訳はどうでもいい。手前エ生かしとくわけには行かねえぞ」と粛清しようとする。「俺ははなっからお前エなんか信じちゃいねえぞ。俺はもう少しこの仕事で楽がしてえ。俺が生きるためにお前エ死んで貰うぞ」。剣之介も指輪をはめる。その瞬間、訪ねてきた太吉を抱えて逃走、診療所には患者たちがやいとやの診察を待っていた。その後、弥蔵はやいとやを呼び出し太吉を寄こすよう迫る。生かしておくと都合が悪いらしい。「親父さん・・・変わったな。昔の親父さんじゃねえや。八年前はあんな酷い殺し方しなかったぜ」「政、それが八年ぶりに会って俺に言う言葉か?はーお前エもたいそう立派になったもんだ」。弥造はやいとやに昔のように組もうと持ち掛ける。しかしやいとやは「政吉」ではない。今は「やいとや又右衛門」で通している。「ということは今の仲間に対する義理立てかい?」「義理立て?あたしには義理とか仁義とかってまるでありませんよ」「じゃ政、お前の仲間を俺に教えろ。元締は誰だ?何人いる?この江戸に仕業人が二組もいる訳がねえ。どうだ政」「たった今言ったでしょ。あたしには義理とか仁義とかってものがまるで無いって」「それはてておや同然の俺にも無えってことかい、え?政」。つうことで交渉決裂。ある日、弥蔵はやいとやの診療所を訪れる。「又右衛門さん、あんたの評判を聞いて来たんだ」。そして下っ端たちが他の患者たちを追い出す。やいとやは裏切らなかった。剣之介と捨三は診療所に飛び込もうとするが「ここは一番、やいとやに賭けてみようぜ」と主水が止める。診療所の中では弥蔵が施術を受けて「こりゃいいやー」といい塩梅。「政、じゃねえ又右衛門さんよ。お前をガキの時に殺しときゃこんな手間を掛けずに済んだんだが・・・あーいい気持ちだー女とやいとで極楽浄土ッだい」。弥蔵が悶絶している隙にやいとやは針に手を掛けようとするが「何だいそりゃ?」とお見通し。身動き取れず絶体絶命。そこに太吉が飛び込んでくる。やいとやは太吉を抱えて飛び出すが、弥蔵が投げつけたノミが太吉に突き刺さる。「くっそう・・・子どもまで殺す外道に成り下がっちまったのか!」。さらに逃げ出してきたおゆうが駆け付ける。泣きながら太吉の手当をするおゆう。やいとやは主水たちに受け取っていた一両を返す。しかし「この稼業は人情絡みじゃ成り立たねえぞ。これはお前の分だ」と主水に投げ返される。その夜、主水は弥蔵の店を訪れるとおゆうと太吉を引き取るよう告げて弥蔵と勘助を誘き出す。橋の下にいるおゆうを見つけて近づく勘助を剣之介が絞殺。弥蔵も近づくが女はお歌だった。弥蔵に後ろに張り付いているやいとや。勘蔵だと思って振り向いた瞬間、眉間に針が突き刺さる。「政!手前!」。やいとやは弥蔵が唄ってくれた子守唄を唄いながら夜道を歩く。お・わ・り