この画像は
コチラからお借りしました。
「薄桜鬼」のオメガバースパラレル小説です。
詳しい設定については
コチラのページをご覧ください。
土方さんが両性具有です、苦手な方はご注意ください。
制作会社様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
腹を痛めて産んだ我が子が養子に出される前夜、歳三はその子に母乳を与えていた。
誰にも教えられた訳でもないのに、自分の乳首を懸命に吸う我が子の姿を見ながら、彼と離れたくないと思った。
「トシちゃん、どうしたの?」
「この子と離れたくない。」
「そうよね。あなたはもう、母親になったものね。子供を手放したくないのは当然よ。」
信子はそう言ってくれたが、恵津は頑なに子供を養子に出せと歳三に迫った。
「母さん、俺は・・」
「Ωでシングルマザーなんて、世間体が悪いわ。さぁ、その子を渡しなさい!」
「嫌だ!」
「往生際が悪い子ね!」
「姉さん、乱暴な真似はしないで!」
恵津は強引に歳三から赤ん坊を取り上げると、そのまま部屋から出て行った。
「義昌・・」
歳三は暫くの間、ストレスで寝込んだ。
あれから十年もの歳月が経ったが、息子の消息は杳として知れない。
「じゃぁ、俺は先に出る。」
「また会おう。」
朝日が昇る頃、歳三はホテルから出てタクシーに乗って帰宅した。
「ただいま。」
玄関先で出迎えた愛猫にそう声を掛けた歳三は、猫を抱きながらリビングの中に入った。
コーヒーを淹れながら歳三が猫に餌をやっていると、突然インターフォンのチャイムが鳴った。
「はい。」
『すいません、警察の者ですが、近くで殺人事件が起きたので、怪しい人物などを見かけていないでしょうか?』
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