「済まねぇな、俺が抱きついたばっかりに・・」
千尋の右肩に醜く残る火傷の痕を見ながら、土方はそう言って俯いた。
葉山の別荘で火傷した彼女は、病院で応急処置を受けて火傷は治ったものの、右肩にはケロイドが残ってしまった。
「いえ、いいんです。それよりも旦那様、奥様からのお手紙が最近変なものが多いんですけれど・・」
「総美からの手紙が変?」
「ええ・・」
千尋はそう言ってここ一週間総美から届いた手紙を土方に見せた。
「総美・・字が書けねぇほど悪くなっていやがるのか・・」
土方は妻の手紙を胸に抱きながら嗚咽した。
「済まねぇ・・独りにしてくれ。」
「はい・・」
千尋が土方の部屋を出ると、中から泣き声が聞こえた。
(旦那様は奥様の事を余程愛していらっしゃる・・)
浜辺を散歩しながら、千尋は総美と交わした約束の事を思い出した。
“もしわたしが死んだら、土方と結婚して頂戴。”
(わたくしは奥様の代わりにはなれない・・旦那様の事はお慕い申し上げているけれど、わたくしは所詮愛人でしかない・・)
波の音を聞きながら千尋が歩いていると、不意に突風が吹いて彼女が持っていたレースの洋傘が海へと飛んで行ってしまった。
「ああ、どうしよう・・」
千尋が慌てふためいている間に、洋傘は徐々に沖の方へと流されていってしまう。
着物の裾を捲り上げて海に入ろうかと千尋が思い始めた時、長身の青年がさっと海に入り、洋傘の方まで泳いでいった。
「どうぞ。」
「ありがとうございます。」
洋傘を渡した青年に千尋が礼を言おうとした時、彼の顔に見覚えがあることに気づいた。
「あなた、確か女学校で・・」
「まさか、またお会いできるとは思ってもみませんでした。」
青年はそう言って千尋に微笑んだ。
「春日徹と申します。」
「千尋と申します。二度も親切にして頂きありがとうございました。ではわたくしはこれで。」
千尋は青年に背を向けると、別荘へと戻った。
「旦那様、ただいま戻りました。」
「海に行ってたのか?」
土方が俯いていた顔を上げると、彼の目元が少し腫れていた。
「はい。旦那様もご一緒に行きませんか?」
「いや、いい。それよりも明日、東京に戻ろうと思う。その前に、寄っておきたいところがあるんだ。」
「寄っておきたいところ・・ですか?」
その夜土方に連れられてやってきたのは、地元の神社で行われている夏祭りだった。
「これ、買ってやろうか?」
土方がそう言って出店で指したのは、華やかなびらびら簪で、桜や菊といった花の先に房飾りがついているものだった。
「本当に、良いのですか?」
「ああ。」
土方が買ったのは、薔薇を象ったびらびら簪だった。
「良く似合ってるぜ。」
「ありがとうございます。」
千尋が土方の隣を歩く度に、彼女が挿した簪がしゃらしゃらと揺れた。
やがて2人は人気のない雑木林の中へと入っていった。
「ここなら誰にも見られねぇだろ?」
土方はそう言うと、千尋の乳房を右手で揉み、空いている手で彼女の蜜壺を弄り始めた。
「いけません、旦那様・・こんなところで・・」
千尋が軽く抗議すると、土方は蜜壺を弄る手をはやめた。
最近お褥シーンばっかりですね。
しかも今回は青●だし・・
にほんブログ村