※BGMと共にお楽しみください。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「無礼者、その手を離しなさい!」
「何気取っているんだ?暇なんだろう、俺と遊ぼうぜ?」
酔客はそう言うと、武家娘の手を掴んで何処かへ連れて行こうとした。
リヴァイが彼女を助けようとした時、二人の間にエルヴィンが割って入った。
「わたしの連れに何か用かな?」
エルヴィンの姿に気づいた彼は舌打ちして何処かへ行ってしまった。
「大丈夫か、美禰?」
「エルヴィン様、怖かった・・」
そう言ってエルヴィンの腕に抱かれる武家娘の姿を見たリヴァイの胸が、チクリと痛んだ。
(何だ、今のは?)
「兄さん?」
「・・何でもない、行こう。」
我に返ったリヴァイは、そのままミカサとアルミンを連れて料亭から出た。
屯所へと帰る道すがら、リヴァイの脳裏にはエルヴィンに抱かれている武家娘の姿が離れなかった。
「兄さん、どうしたの?」
「何でもない・・」
「嘘、あの男の事を考えているでしょう?」
「お前は時々、勘が鋭くて困るな。」
「何年あなたの“妹”をしていると思うの?」
ミカサの言葉を聞いたリヴァイは、溜息を吐いた。
「おや、道理で夜道が明るいと思ったら、闇の中に美しい華たちが浮かんでいたのか。」
突然自分の背後からそんな声が聞こえ、リヴァイが振り向くと、そこには金髪碧眼の男が立っていた。
「誰だ、お前は?」
「名乗る程の者ではないよ。」
そう言った男は、眼鏡越しにリヴァイを見た。
「君は、美しい瞳をしているね。」
男は一歩リヴァイに近づくと、彼の頬へと手を伸ばそうとしたが、その前にリヴァイは男の手を邪険に振り払った。
「気安く触るな、クソ野郎。」
「口が悪いな。それに、すぐに威嚇する所は、まるで“黒猫”のようだ。」
「てめぇ、何者だ?」
「言っただろう、名乗る程の者ではないと。夜道は危険だから、気をつけてお家に帰るんだよ・・“黒猫”ちゃん。」
「待て!」
リヴァイは慌てて男を追ったが、男は闇の中に消えてしまった後だった。
「ジーク様、お帰りなさいませ。」
「ただいま、さっき散歩していたら、いい出会いをしたよ。」
「いい出会い、ですか?」
「ああ・・可愛い“黒猫”ちゃんさ。」
そう言った男の瞳が、キラリと光った。
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