(な、なんなんだこいつ! いきなり抱きついてきやがって・・)
「ちょっ、離して・・」
エドガーに突然抱きしめられ、ステファニーはエドガーの腕の中で暴れた。
「しばらくこうさせてください。昨夜私はあなたのことばかり考えて一睡もできずに朝を迎えました。私はあなたの温もりを、少しでもいいから感じていたいのです。」
エドガーはそう言ってステファニーを力強く抱きしめた。
「そ、そんなに抱きしめられたら窒息する・・」
ステファニーはそう言って咳き込んだ。
エドガーは慌ててステファニーから離れた。
「すいません、あなたに会えた喜びで、つい・・」
(なんなんだ、こいつ!? 一体何者!?)
ステファニーは警戒しながらエドガーと距離を取った。
「で、わたくしに何のご用ですか?」
ステファニーの言葉を聞き、エドガーは花のような笑顔を浮かべながら言った。
「今夜7時に、私が宿泊するホテルのレストランでディナーをご一緒できればよろしいのですが。」
(こいつ、何言ってんだよ!? いきなり抱きついた後は、デートの誘い!?)
ステファニーが固まったままその場から動かないでいると、エドガーは昨夜と同じようにステファニーの手首を掴み、自分の唇をステファニーの唇に重ねた。
(・・え?)
ステファニーが呆気にとられていると、バーンという音がして、ドアが何者かに蹴破られ、ちらりドアの方に目をやると、慌てふためいているメイ達の姿と、怒りで顔がゆでたこのようになっている兄-スティーブの姿があった。
「ステフから離れろっ!」
スティーブはそう言って拳銃をエドガーに向けた。
にほんブログ村