素材は
NEO HIMEISM 様からお借りしております。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
何者かに襲われ、瀕死の重傷を負ったリヴァイは、茶屋で会った男に救われた。
町医者の処置により、リヴァイは一命を取り留めたが、未だに生死の境を彷徨っていた。
「母さん・・母さん・・」
高熱にうなされながら、リヴァイは亡き母を呼んでいた。
リヴァイの母・クシェルは、祇園の名妓と謳われる程の名妓だったが、リヴァイが六つの時に労咳に罹り呆気なく死んだ。
父親は居らず、クシェルを亡くし天涯孤独となったリヴァイを憐れんだ置屋の女将は、リヴァイを引き取って育ててくれた。
女ばかりの花街で、男であるリヴァイが生きるには、性別を偽って生きるしかなかった。
生きる為に、リヴァイは芸事を身につけた。
その結果、花街の住人としてリヴァイは土方から監察方の仕事を与えられた。
全てが上手くいっていたと思っていた矢先、リヴァイは襲われた。
これまでリヴァイは、ケニーから“密命”を受け、数え切れぬ程の多くの人を殺めてきた。
いつ何処で恨みを買ったのかを思い出してもきりがない。
それよりも、リヴァイは高熱と激痛がもたらす苦しみに耐えるしかなかった。
「大丈夫か?」
時折自分にそう呼びかける声に答えようとしたリヴァイだったが、口から出て来たのは呻き声だった。
「エルヴィンはん、薬湯をお持ちしました。」
宿の女中がそう言いながら、薬湯が入った茶碗を載せた盆を持ってエルヴィンの部屋に入ると、丁度エルヴィンがリヴァイの着物を脱がせ、汗ばんでいる肌を冷たい手拭で拭いていた。
「すいまへん、出直します!」
「いや、そこに置いておいてくれ。後はわたしがするから。」
「へ、へぇ・・」
女中が去った後、エルヴィンはリヴァイに薬湯を飲ませようとしたが、高熱で体力を奪われてしまっているリヴァイは、口を開ける気力すらなかった。
「仕方ないな・・」
エルヴィンはリヴァイを抱き起こして薬湯を少し口に含むと、リヴァイの唇を塞いだ。
はじめリヴァイは抵抗したが、エルヴィンが自分を離そうとしないので、諦めて薬湯を飲んだ。
「良い子だ。」
エルヴィンはそう言ってリヴァイの黒髪を優しく梳いた。
一方、リヴァイが屯所に戻って来ない事に気づいたエレンが、何処か落ち着かない様子で夕餉の支度をしていた。
「リヴァイさんは大丈夫だよ、エレン。」
「そうだよな・・リヴァイさんはきっと無事に帰って来るよな・・」
エレンがそんな事を呟いていると、突然屯所の入り口の方が急に騒がしくなった。
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