「薄桜鬼」「刀剣乱舞」の二次創作小説です。
制作会社様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
「ありゃ、どうしたんだい?」
衣擦れの音を立てながら髭切が菊の部屋に入ると、そこには見知らぬ男に今にも殴りかかろうとしている弟の姿があった。
「髭切、いいところに来てくれたわ!」
菊はそう言うと、髭切の手を掴んで彼を石山の前に押し出した。
「貴方が、髭切太夫ですか?」
「そうだけど、僕に何か用?」
「騙されてはならんぞ兄者!こいつはその面妖な機械で兄者の命を奪おうとしているのだ!」
「誤解です、わたしはこのカメラで髭切太夫の姿を撮りたいだけなのです!」
「嘘を吐け!」
「ふぅん、何だか面白そうだね。」
髭切はそう言うと、石山が大事そうに抱えているカメラを見た。
「これで、人の姿が撮れるのかい?」
「はい。少々お時間が掛かりますが、魂を抜かれることはありませんので、ご安心ください。」
「そうだ、折角だからお前も一緒に撮ろうよ、肘丸。」
「俺は膝丸だ、兄者!」
膝丸は自分の名を憶えてくれない髭切に対して少し苛立ちながら、彼と共に写真撮影をすることになった。
「暫く動かないでください。」
髭切の部屋で彼と共に写真撮影に臨んだ膝丸は、石山が箱型のカメラを自分達に向けていることに気づき、思わず顔が緊張で強張ってしまった。
「大丈夫だよ、僕がついているから。」
「兄者・・」
「はい、撮りますよ~!」
石山がシャッターを押したとき、そこに写っていたものは泣き顔の膝丸とそれを宥める髭切太夫の姿だった。
「兄者、これを渡しに来た。」
「おお、綺麗だね。これを僕にくれるのかい?」
「兄者の髪に似合うと思って買ったのだ。気に入ってくれてよかった。」
膝丸から紅い櫛を贈られ、髭切は鏡台の前で早速それを髪に挿してみた。
「どう、似合う?」
「ああ、似合うぞ兄者!」
「有難う、大切にするよ。それよりも今日はここに泊まっていくのかい?」
「いいのか?兄者に迷惑が掛かるのではないか?」
「そんな事ないよ。それに、兄弟で遠慮し合うこともないだろう?」
「兄者~!」
髭切の言葉に感動した膝丸は、彼の胸に顔を埋めて泣くと、そのまま眠ってしまった。
「あら、今日は弟が来てたのかい。」
次郎太夫が酒瓶を片手に髭切の部屋に入ると、彼の膝の上に膝丸が頭を預けて眠っていた。
「遊びに来ていたのだけれど、いつの間にか眠ってしまってねぇ。本当に僕の弟は可愛いねぇ。」
「その櫛、似合っているじゃないか。誰から貰ったんだい?」
「弟からさ。この子はこの世で一番大事な存在なんだ。名前は良く忘れてしまうけれどね。」
「そうかい、そうかい。さてと、あたしは自分の部屋で飲み直してくるかねぇ!」
次郎太夫がそう言いながら髭切の部屋から出て行こうとした時、一瞬次郎太夫は髭切と目が合った。
「次郎姐さん、この子は僕のものだから、あげないよ?」
「わかっているさ、そんな事!」
「そう・・ならいいけど。」
そう言った髭切の瞳が、真紅に染まるのを次郎太夫は見た。
「それじゃぁ、お休み~!」
「ありゃ、どうしたんだい?」
衣擦れの音を立てながら髭切が菊の部屋に入ると、そこには見知らぬ男に今にも殴りかかろうとしている弟の姿があった。
「髭切、いいところに来てくれたわ!」
菊はそう言うと、髭切の手を掴んで彼を石山の前に押し出した。
「貴方が、髭切太夫ですか?」
「そうだけど、僕に何か用?」
「騙されてはならんぞ兄者!こいつはその面妖な機械で兄者の命を奪おうとしているのだ!」
「誤解です、わたしはこのカメラで髭切太夫の姿を撮りたいだけなのです!」
「嘘を吐け!」
「ふぅん、何だか面白そうだね。」
髭切はそう言うと、石山が大事そうに抱えているカメラを見た。
「これで、人の姿が撮れるのかい?」
「はい。少々お時間が掛かりますが、魂を抜かれることはありませんので、ご安心ください。」
「そうだ、折角だからお前も一緒に撮ろうよ、肘丸。」
「俺は膝丸だ、兄者!」
膝丸は自分の名を憶えてくれない髭切に対して少し苛立ちながら、彼と共に写真撮影をすることになった。
「暫く動かないでください。」
髭切の部屋で彼と共に写真撮影に臨んだ膝丸は、石山が箱型のカメラを自分達に向けていることに気づき、思わず顔が緊張で強張ってしまった。
「大丈夫だよ、僕がついているから。」
「兄者・・」
「はい、撮りますよ~!」
石山がシャッターを押したとき、そこに写っていたものは泣き顔の膝丸とそれを宥める髭切太夫の姿だった。
「兄者、これを渡しに来た。」
「おお、綺麗だね。これを僕にくれるのかい?」
「兄者の髪に似合うと思って買ったのだ。気に入ってくれてよかった。」
膝丸から紅い櫛を贈られ、髭切は鏡台の前で早速それを髪に挿してみた。
「どう、似合う?」
「ああ、似合うぞ兄者!」
「有難う、大切にするよ。それよりも今日はここに泊まっていくのかい?」
「いいのか?兄者に迷惑が掛かるのではないか?」
「そんな事ないよ。それに、兄弟で遠慮し合うこともないだろう?」
「兄者~!」
髭切の言葉に感動した膝丸は、彼の胸に顔を埋めて泣くと、そのまま眠ってしまった。
「あら、今日は弟が来てたのかい。」
次郎太夫が酒瓶を片手に髭切の部屋に入ると、彼の膝の上に膝丸が頭を預けて眠っていた。
「遊びに来ていたのだけれど、いつの間にか眠ってしまってねぇ。本当に僕の弟は可愛いねぇ。」
「その櫛、似合っているじゃないか。誰から貰ったんだい?」
「弟からさ。この子はこの世で一番大事な存在なんだ。名前は良く忘れてしまうけれどね。」
「そうかい、そうかい。さてと、あたしは自分の部屋で飲み直してくるかねぇ!」
次郎太夫がそう言いながら髭切の部屋から出て行こうとした時、一瞬次郎太夫は髭切と目が合った。
「次郎姐さん、この子は僕のものだから、あげないよ?」
「わかっているさ、そんな事!」
「そう・・ならいいけど。」
そう言った髭切の瞳が、真紅に染まるのを次郎太夫は見た。
「それじゃぁ、お休み~!」
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