「どうして、あなたがここに?」
美津はそう言って凛を睨んだ。
「エーリッヒに四郎様のことを調べてもらったの。そしたら、四郎様がこの村にいることがわかったの。」
凛はそう言って四郎に微笑んだ。
「四郎様、わたくし凛と申します。あの、よろしければ、これ・・」
凛は小さな包みを四郎に渡した。
四郎が包みを開けてみると、そこには小さな飴玉のような菓子が入っていた。
「南蛮渡来の金平糖ですわ。」
「申し訳ございませんが、このような高価な物、いただけません。」
四郎はそう言って金平糖を凛に付き返すと、畑の方へと歩いていった。
「四郎様はあなたのことがよほどお好きなのね。」
凛はそう言って金平糖を袋ごと握りつぶした。
「ここに来たのはあなたに言いたいことがあるから来ましたの、鬼姫様。」
「言いたいこと?」
「ええ。四郎様を必ずわたくしのものにしてみせますわ。だからこれから外出するときは、誰かお供を付けたほうがよろしいでしょうね。」
凛はそう言って美津を睨みつけながら、畑を去っていった。
「望むところよ・・」
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Last updated
2012年03月07日 16時06分19秒
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