素材は
NEO HIMEISM 様からお借りしております。
「進撃の巨人」の二次創作小説です。
作者様・出版者様とは関係ありません。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
リヴァイが両性具有設定です。苦手な方は閲覧なさらないでください。
「大分綺麗になったな。」
リヴァイはそう言うと、満足そうに埃ひとつない平隊士部屋を見た。
「リヴァイさん、髪が少し乱れてますよ?」
「そうか。エレン、また髪を結い直してくれ、頼む。」
「は、はい!」
頭に巻いていた手拭を取り、自室へと戻ったリヴァイは、再び鏡台の前に座った。
監察方も務めている彼の部屋には、仕事道具である変装用の衣装や化粧品などが置かれていた。
「失礼します。」
エレンはそう言ってリヴァイに声を掛けると、いつもリヴァイの髪を梳く為に使っている柘植の櫛を手に取った。
黒く艶やかな彼の髪は、彼の白い肌に映えて美しかった。
潔癖で神経質なリヴァイから、エレンが彼の髪梳き役を任されたのは、まだ新選組に入隊して間もない頃だった。
町医者であった父と、母を何者かに殺され、その仇討ちの為に新選組に入隊したエレンだったが、そこで待っていたのは厳しい稽古と常に死と隣り合わせの日々だった。
そんな時、エレンは袋小路で浪士達に追い詰められ、気が付いたら、自分の周りには血の海が広がっていた。
何日か屯所の離れに監禁された後、エレンは幹部が集まった局長室で、初めてリヴァイと会った。
「おい、お前はここで何がしたい?」
「え・・」
「さっさと答えろクズ野郎、こっちはお前と遊んでいる暇はねぇんだ。」
「俺は新選組に入って、父さんと母さんの仇を討ちたいです!」
「・・ほぉ、悪くない。」
それから、エレンはリヴァイの部下となったのだった。
小柄で華奢でありながら、リヴァイの剣の腕は強く、また体術も他の幹部隊士より秀でていた。
そんなリヴァイに、近藤や土方をはじめとする幹部達は一目置いていた。
「おい、手が止まってるぞ。」
「すいません、余りにもリヴァイさんの髪が綺麗だから見惚れちゃって・・」
「野郎の髪に見惚れてどうする。仕事用に伸ばしているだけで、うっとうしいだけだ。」
「そんな事言わないで下さいよ!よく見たらリヴァイさん、肌も綺麗ですね。」
漸くエレンの下らないお喋りから解放されたリヴァイが部下達と巡察をしていると、向こうから一人の男が歩いてきた。
顔は菅笠を被っているのでわからなかったが、男と擦れ違った時、あの時と同じ伽羅の香りがした。
「見つけた。」
男はリヴァイにだけ聞こえるような声でそう囁くと、雑踏の中へと消えた。
にほんブログ村