「薄桜鬼」の二次創作小説です。
制作会社様とは関係ありません。
土方さんが両性具有です、苦手な方はご注意ください。
二次創作・BLが嫌いな方は閲覧なさらないでください。
シャラシャラと美しい飾り布につけられた宝石が軽快な音を立てた。
「まぁ、綺麗ね。」
「本当に。刺繍も見事だわ。」
歳三がいつものように仕事をしていると、そこへ村の娘達がやって来た。
紅白の布には、子孫繁栄を象る鳳凰と南天の模様が刺繍されていた。
この布は、明日敵国へ嫁ぐ“娘”のものだ。
『そんな、こんなのは・・』
『もう決まった事なのだ。』
『何故、あの子なのです?あの子は、まだ・・』
『ここを守る為には、あの子に犠牲になって貰うしかないのだ。』
族長達は、部族間の争いを止める為、敵国へと“娘”を差し出す事にしたのだ。
まだ、十にもならない子を。
本当は、嫁かせたくない。
だが、もう決まった事なのだ。
せめて、自分で婚礼衣装を縫い、彼女を美しく着飾らせて送り出してやりたいのだ。
「あら、もう出来たの?」
「えぇ。」
「そんなに浮かない顔をしないで。あの子はきっと幸せになるよ。」
「そう、ですね・・」
歳三は、そっと完成した“娘”―ララの婚礼衣装を撫でた。
彼女が幸せになれるよう、願いを込めながら。
「トシ、居るのかい?」
「はい、お義母様。」
歳三が慌てて手の甲で涙を拭い仕事部屋から出ると、中庭には不機嫌そうな顔をして自分を睨んでいる姑・タリヤの姿があった。
「洗濯物、まだ取り込んでいないじゃないか。」
「すいません・・」
「全く、娘の婚礼が近いからって、家事を疎かにしちゃ困るよ。さ、それが終わったら夕飯の支度を頼むよ。」
「はい・・」
母屋に裏口から入った歳三が夕飯の支度を台所でしていると、そこへ狩りから帰って来た夫・タルクがやって来た。
「ただいま。」
「お帰りなさい。」
「今日は髪、下ろしているんだな・・」
タルクはそう言うと、歳三のうなじを軽く噛んだ。
「なぁ、いいだろう?」
「駄目、こんな・・」
「お願いだ・・」
歳三の秘所を指で愛撫しながら、タルクは彼女の腰に己の猛ったモノを押し付けた。
夫とは、歳三が二十八、タルクが十八の時に結婚した。
その時既に、歳三には七歳になる娘・ララが居た。
両性具有の身体を持って生まれた歳三は、幼馴染である勇と密かに愛を育み、二十歳の時にララを妊った。
しかし、程なくして勇は戦に赴き、死んだ。
失意の中歳三はララを産み、育てた。
そんな中、タルクとの縁談が来たのは、歳三が二十七の時だった。
「ララには父親が必要よ。あんたもまだ若いんだから、独り身は辛いだろう。」
タルクはこの土地にしては珍しい、褐色の肌と金色の瞳をした、精悍な顔立ちをした青年だった。
彼と初めて顔を合わせたのは、婚礼の夜だった。
タルクは若い情熱をそのまま歳三にぶつけるように抱いた。
そしてそれは、今でも続いている。
「あぁ、駄目!」
「うぅ・・」
一度達した後だというのに、タルクのものは再び歳三の中で硬くなった。
「トシ、トシ!」
「タルク・・」
「母様~!母様、何処~!」
人気のない納屋の中で歳三が夫に激しく抱かれていると、遠くから自分を探している娘の声が聞こえて来た。
「うぅ、あぁ・・」
「トシ、もう限界だ!」
タルクはそう叫んで歳三の中に熱い精を吐き出した。
歳三が呼吸を整えていると、カサリと干し藁を踏む音が聞こえ、歳三が徐に俯いていた顔を上げると、納屋の入り口に驚愕の表情を浮かべたまま立っているララの姿があった。
「どうしたんだい、ララ?何も食べてないじゃないか?」
「食欲がなくて・・ねぇおばあちゃん、赤ちゃんはどこから来るの?」
「さぁね。」
その日の夜、歳三はタリヤに呼ばれ、彼女の部屋へと向かった。
「お義母様、お呼びでしょうか?」
「あんたには困ったものだね。まぁ、タルクは一番勢力が有り余っている年頃だから仕方無いが、あの子にとっては刺激が強過ぎたのだろうねぇ。」
「すいません・・」
「婚礼前に、あの子を不安にさせるんじゃないよ。」
「はい、わかりました。」
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