「FLESH&BLOOD」二次小説です。
作者様・出版社様は一切関係ありません。
海斗が両性具有設定です、苦手な方はご注意ください。
「カイト・・」
「いけない事だって、わかっているよ。でも俺は、あなたの事が好きなんだ。」
海斗は、そう言った後ジェフリーに抱き着いた。
ジェフリーは、欲望に支配されて頭が爆発しそうだった。
「お前には、婚約者が・・」
「でも、今まで俺を支えてくれたのはあなただ。」
「後悔しないか?」
ジェフリーの問いに、海斗は静かに頷いた。
子供の頃、屋敷の侍女達が“初めて”の時は痛いと話していたが、痛いのは最初だけだった。
「ジェフリー・・」
「カイト・・」
ジェフリーの背中に爪を立てながら、海斗は快楽の頂に達した。
「起きなさい。」
「う・・」
冷水を頭からかけられ、ピッポが低く目を開けると、そこは暗く湿った地下牢だった。
「お前に色々と聞きたい事があるのよ。」
ラウルはそう言うと、ピッポを見た。
「奥様・・」
「カイトは?お前がここへ連れて来たものとばかり思っていたけれど・・」
「そうする前に、金髪の伊達男が・・」
「そう。」
「奥様・・」
「さぁ、これを持って消えなさい。」
「はい・・」
ピッポが屋敷から去った後、ラウルは彼の後をつけるよう、男に命じた。
その日の夜、ピッポの遺体が溝で発見された。
彼は喉を真一文字に切り裂かれていた。
「ピッポが死んだ?」
「あぁ。」
「ピッポが死んだ!?」
天蓋の中から上半身裸の海斗が出て来たので、ナイジェルは思わず目を伏せた。
「ジェフリー、話がある。」
「わかった。」
海斗を部屋に残し、ジェフリーはナイジェルと共に娼館から出た。
「あんた、一体どういうつもりだ?貴族の娘に手を出して。絞首台に送られるぞ!」
「わかっているさ、そんな事。」
「ジェフリー、お前・・」
「これまで、俺は散々浮名を流してきたが、あいつだけは・・カイトだけは特別なんだ。」
「これからどうする?」
「さぁな。先の事はわからない。」
海斗がジェフリーと共に宮廷に戻ると、一人の貴婦人が海斗に駆け寄って来た。
「カイト、生きていたのね、良かった!」
「あ・・」
海斗の脳裏に、美しい悪魔の顔が浮かんだ。
「俺に触るな!」
「カイト?」
「この人が、お母様を・・」
海斗はそう言うと、ラウルを睨みつけた。
「カイト、どうしたの?」
「あなたが、お母様を・・」
「カイト。」
頭上から声がして海斗が俯いていた顔を上げると、そこには黒衣の青年―ビセンテの姿があった。
「ビセンテ様・・」
「カイト。」
ビセンテは、海斗がラウルに怯えている事に気づいた。
「どうした、カイト?」
「この人が、お母様を・・」
海斗はそう言うと、気を失った。
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