黒執事・薔薇王の葬列クロスオーバー中世パラレル小説です。
ディズニー映画「ノートルダムの鐘」風のパラレルですが、一部キャラ設定や時代設定が違っていたりしますが、それでもいいよという方のみお読みください。
「旦那、俺は何もしていません!」
「さぁ、どうだかな。」
バッキンガム判事は部下に目配せすると、彼らはパン屋の店内を荒らし始めた。
「お願いです、店を壊さないでください!」
「見つけたぞ、ジプシーだ!」
パン屋の床下に隠れていたジプシーの声を聞いたバッキンガム判事は、金の瞳を煌めかせた。
「こいつも連行しろ。」
「何て酷い・・」
「まるで悪魔だ。」
群衆の中からジプシー狩りの様子を見ていたケイツビーは、路地裏で待っているリチャードと合流した。
「どうだ?」
「状況は最悪です。
「そうか。ケイツビー、耳を貸せ、俺に考えがある。」
リチャードはそう言うと、ケイツビーの耳元で何かを囁いた。
「そんな、危険です!」
「お前とヘンリーが、俺を助けに来てくれるんだろう?」
リチャードはそう言うと、ケイツビーを抱き締めた。
「俺は、お前達を信じている。」
「リチャード様、待ってください!」
フードを目深に被ったリチャードは、パン屋を連行しようとしているバッキンガム判事の前に立ちはだかった。
「彼は何も悪くない。」
「こいつはジプシーを匿っていた。」
「俺は疲れた旅人に宿を提供していただけだ!俺ぁ盗みも殺しもしてねぇ、善良なパリ市民だ!」
「彼らの代わりに俺を連れて行け、バッキンガム。お前の狙いは俺だろう?」
リチャードはそう言うと、優雅な手つきでゆっくりとフードを捲り、バッキンガム判事を睨みつけた。
「わかった、そうしよう。」
リチャードがバッキンガム判事に捕えられた事をケイツビーから知ったシエル達は、激しく動揺した。
「早くリチャード様を助けないといけませんね。」
「あぁ、そうだな。」
シエルはそう呟くと、掌の上に載せているキャサリンから渡された紋章入りの指輪を見つめた。
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