表紙素材は、
ソラ様からお借りしました。
「ユーリ・オン・アイス」「天上の愛地上の恋」二次小説です。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。
二次創作・BLが苦手な方はご注意ください。
ロシア・ソチで行われたグランプリファイナルシリーズは、ロシアのヴィクトル=ニキフォロフの優勝によって幕を閉じた。
「ヴィクトル、金メダルおめでとう。」
「ありがとうユウリ。ユウリもあと少しで俺に勝てたのに、惜しかったね。」
ヴィクトルの隣を歩きながら、彼の恋人である勇利は、この大会で銀メダルを獲得した。
「まぁ、ユウリが金メダルを獲っても獲らなくても、もう俺達は夫婦だから関係ないね?」
「もう、ヴィクトル・・キスはホテルに戻ってからにしてって言ったでしょう?」
「相変わらずシャイだな、ユウリは。」
ヴィクトルがそう言いながら笑って勇利に抱きついた時、向こうから金髪碧眼の青年と黒髪翠眼の青年がやって来た。
「ハイ、ルドルフ。銅メダルおめでとう。」
「貴方に祝ってもらえるほどのものではない。」
金髪碧眼の青年―オーストリアの“皇太子”ことルドルフ=フランツ=カール=ヨーゼフは、慇懃無礼な口調でそう言うとロシアの“皇帝”を睨みつけた。
「そんなに睨む事ないだろう?」
「申し訳ありません、ニキフォロフ様。」
ルドルフの隣に立っていた黒髪翠眼の青年―ルドルフの恋人であるアルフレート=フェリックスが、そう言ってヴィクトルに頭を下げた。
「アルフレート、行くぞ。」
「ではわたし達はこれで失礼いたします。」
去り際アルフレートは、勇利に軽く頭を下げると、慌ててルドルフの元へと駆けていった。
「彼、ちょっと苦手だな・・恋人の方は良い子なのに。」
「ヴィクトル、またそんな事言って。でもルドルフさんもカッコよかねぇ。」
「ユウリ、もしかして年下がタイプなの?まさか浮気を・・」
「する訳ないじゃん、馬鹿!」
そんな会話をしながら、ヴィクトルと勇利は会場を後にした。
大会の後、ホテルの宴会場で開かれたバンケットで、勇利はピチットとクリス、そしてユーリと共に楽しく酒を飲んでいた。
「ユリオももう20歳か・・時の流れって案外早いもんだねぇ~」
「何ジジィみたいなこと言ってんだよ、カツ丼!」
「え~、だって僕達の競技人生は短いんだよ?僕だってもうすぐ30になるし、体力的に選手として競技を続けていくにはそろそろ限界かなぁ・・」
「30手前なのに、ユウリはまだティーンみたいだよね。その美貌の秘訣は、やっぱりヴィクトルとのセックス?」
「ク、クリス、いきなり変な事言うのやめてよ!」
クリスの言葉を聞いた勇利は思わず飲んでいたシャンパンを噴き出してしまった。
「え~、だってユウリ、ヴィクトルと結婚してから演技の幅が変わったよね?なんかこう・・人妻感溢れるっていうか・・いやらしくなったよね。」
「ピチット君まで~!」
「カツキさん、先程はルドルフ様が失礼な態度を取ってしまって、申し訳ありませんでした。」
勇利がクリス達とそんな話をしていると、シャンパングラス片手にアルフレートが彼らの方へとやって来た。
「アルフレートさん、別にいいですよ、気にしてないんで。」
「そうですか。カツキさん、この後少し話したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」
「はい、構いませんよ。すいません、ちょっと失礼します。」
勇利は会場にヴィクトルの姿が無い事に気づき、アルフレートにそう言うとそのまま人気のないバルコニーへと向かった。
「ヴィクトル、こんな寒い所で何してるの?」
「少し考え事をしていたんだよ・・俺達の、未来について。」
「え?」
「ユウリ、もし俺が現役を引退するって言ったら、君はどうする?」
「ヴィクトル、何言って・・」
ヴィクトルの言葉を聞いた勇利が驚いて彼の方を見ると、ヴィクトルのライトブルーの瞳が微かに揺れていることに気づいた。
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